人々の心を学び、幸せに導くための「政治学」
法律とお小遣い
日本の社会では、人が人を傷つけると法律で罰せられます。そうすることで社会の混乱を防ぎ、平和で幸せな社会へと人々を導こうとするからです。また、子どもがお小遣いをねだるとき、たいていの保護者は「いくらあげたら、子どもが幸せになるだろうか」と考えます。保護者は、限られた資源の中から、最適な金額を与えることによって、子どもを幸せに導こうと考えるからです。「強制力」としてのルールや法律のあり方や、気持ちを前向きにするお金という「報酬」を用いて、人々を幸せに導く学問が「政治学」です。
正しくなければ従わない
しかし、人々は、その「法律」や「お金」の使い方が正しくなければ従わないこともあります。
社会には、政治は政治家のもの、うまくやってくれたらそれで良いという風潮もあります。しかし、たくさんの人々が社会のあり方を考え、その政策が正しいのか、正しくないのかを判断することができれば、もっと良い社会になるのではないでしょうか。あなたは大学を選ぶとき、自分の将来の姿を想像し、自分の成績や学べる内容といった情報を集めることで進路を決めることでしょう。たとえ、先生のすすめであっても、なりたい自分に結びつかない大学には進学しませんね。幸せな未来をつくり出すためには「正しさ」が必要なのです。
政治学とは
つまり「政治学」は、「強制力」と「報酬」と「正しさ」について考える学問なのです。
会社に勤めて、お客さんの心を知り、上司や部下を正しく動かせる人になることは、良い人生を送るためにとても大切なことです。部活や文化祭のリーダーになったときに、みんなの気持ちをうまく捉えて、みんなに納得して活動してもらうことができたら、素晴らしいと思いませんか? そして、そんなリーダーがいたら、みんなが幸せです。人々の心の中の正しさを学び、強制力と報酬を使って人々の元気を引き出し、たくさんの人々を幸せにするなら、政治学の中にそのヒントがあります。
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先生情報 / 大学情報
東海大学 政治経済学部 政治学科 教授 小林 隆 先生
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