犠牲なき社会を構築することは可能か

学校現場は「ブラック」一色ですか
学校現場は労働時間が長い・授業時間以外の事務作業が多いなどの理由から「ブラック産業」と言われています。しかし、鉱産資源に恵まれない現代日本においての宝は何でしょうか。それは未来を開く子どもたちです。教職は確かに生やさしい仕事ではありません。しかし、教育に携わる素晴らしさは、子どもたちがグングン成長していく感動・ワクワク感を共に味わうことができることです。子どもたちの未来、日本の未来を救うのは、教育者なのです。
今こそ問われる「批判的思考力」
現代社会においては、さまざまな情報が交錯しています。日常生活において「コレおかしいな」と思ったことに対しては「批判的思考力」をもって立ち止まって考える必要があります。これまでの「どうせ自分では解決できないのだから仕方ない」という意識を捨て、データに基づく数値的な分析を行い、論理的な思考力をもつのです。現在地球では、人口・資源エネルギー・気候変動・水・食料問題など地球の持続可能性を脅かす課題が増大しています。これらの多様な課題に対して、他人事ではなく「自分事」として、「自分に何ができるか」と常に問い続けることが重要です。
社会科と理科の授業で「水俣病」を学ぶ
その批判的思考力につながる、社会科と理科で教科横断的に行った「水俣(みなまた)病事件」の授業を紹介します。社会科では、『苦海浄土』等の文献資料、1970~80年代の水俣のドキュメンタリー映像、胎児性水俣病患者へのインタビューを学びます。理科では、触媒は化学反応を促進させるが、それ自体は変化しない物質であると考えられていました。しかし、アセチレンからアセトアルデヒドを生成する過程で、触媒として用いられた酸化水銀が脱線し副反応として水に溶けるメチル水銀が生成されたことを学びます。これら社会科と理科で学んだ事柄をひも解きながら、当時の「水俣病事件」に関わった人々が、どのように考えどのような行動をとったのかを考えるのです。
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帝京大学 経済学部 地域経済学科 教授 古家 正暢 先生
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