「地方創生ってかっこいい」ローカルイノベーターが地域を救う

 「地方創生ってかっこいい」ローカルイノベーターが地域を救う

ローカルスタートアップを育てる場

閉店が相次ぐシャッター商店街や路線バスの廃止など、人口減少が加速する地方では、日常生活に向けたサービス機能の崩壊が心配されています。こうした課題解決に取り組み、人口減少を克服する取り組みが「地方創生」です。地域を支える人材育成の実践研究では、ローカルスタートアップ(地域密着型事業の起業)をめざす農業や飲食業など、若い経営者向けの教育が行われています。地域課題解決とビジネスを両立するCSV(共通価値の創造)を学び、行政、産業界、金融機関など多方面からの支援を受け、実際にプロジェクトを稼働させます。さらに修了生同士がつながり、地域で数々のスモールビジネスが生まれています。

地方創生が就職先としての魅力に

ローカルスタートアップを学んだ修了生は、ビジネスの場で活動するだけでなく、大学生や高校生に向けた教育の場で、地域課題を解決するビジネスプランの語り部としての役割も担います。地域に役立つ事業展開や活躍の様子を知った学生からは「地方創生は面白い、かっこいい」との声が上がり、「地方は自己実現の場」といった意識変容が見られます。地域への愛着を高める学習内容は、学生の地域志向を高め、働き方や待遇のほか、企業の「地域社会への貢献」が、就職先としての魅力を向上させることもわかりました。実際に、大手企業の中には、地方創生を掲げて人材確保につなげる動きも出てきています。

関わるのは地元の人だけではない

都会に住みながら地方に関わりたいと考える人と、前述の修了生が共創する実践もあります。都市圏企業が持つノウハウで地域事業者のプランをより良くして事業稼働の後押しをしたり、都会に住む人の地域への参加意識の変容が見られたりします。人口減少時代の新しい地域づくりを考えるためには、1つの専門分野としての研究ではなく、あらゆる専門分野から地域課題解決に貢献できるという流れがあります。地方創成の実現には、地域を超えた多方面の人との連携による実践の場が重要だといえるでしょう。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

熊本大学 共創学環(仮称) ※2026年4月開設予定(設置構想中)  教授 金岡 省吾 先生

熊本大学共創学環(仮称) ※2026年4月開設予定(設置構想中) 教授金岡 省吾 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

ランドスケープ科学、地域づくり論

先生が目指すSDGs

メッセージ

今、地方創生の取り組みが求められています。首都圏の企業や大学でも地域課題の解決に取り組む人が増えているので、まずはどこかで触れてみましょう。高校での「総合的な探究」は、自身の将来に直結している授業です。自分の住む地域をどうしていけばいいのか、どの地域課題に関わりたいのかなどを突き詰めて考えてみてください。その上で、どんな学問を学び、どのような職で、どこに行くのかを決めて、新しい世界に飛び込みましょう。そうして得た学びは、どこにいても、巡り巡って自分の地域を救うことになると思います。

熊本大学に関心を持ったあなたは

熊本大学は、「総合大学として、知の創造、継承、発展に努め、知的、道徳的、及び応用的能力を備えた人材を育成することにより、地域と国際社会に貢献する」という理念に基づき、地域のリーダーとしての役目を果たしています。かつ、世界に向け様々な情報を発信しながら、世界の学術研究拠点、グローバルなアカデミックハブとして、その存在感を高める努力をし、教育においては、累計30件にも及ぶ「特色ある教育プログラム」が優れた取り組みとして文部科学省から認定され、その教育力の高さと質の高い教育内容は定評のあるところです。