サブカルチャーの「学びのデザイン」に学ぶ!
興味+友人=楽しく学べる
インターネット上で社会的な交流の場を作るSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や動画投稿サイトが発達したことで、いまや誰でも気軽に「自分のメディア」を持てる時代になりました。インターネット上では、誰かが趣味で作った音楽や映像作品を発表すると、それに触発されて別の誰かもまた新しい作品を投稿して応えるというやり取りが頻繁に行われています。こうした活動のモチベーションは、お金よりもむしろ、本人の純粋な興味や、コミュニティを通じて得た友人との関係、ギブ&テイクの精神に支えられています。そして、こうした活動の参加者には、共通して積極的な学習意欲が見られます。
言われなくても勝手に楽しくやってしまう!
例えば、自分の音楽や映像作品をインターネットで配信する人は、みんなからより好評を得るにはどうするべきかと工夫をこらしています。そして、それに関する必要な知識となる情報を検索したり、専門書を読んだり、インターネット上で誰かに相談したりして熱心に情報を集めています。また、その情報発信には参加者が守るべき特有のルールがあり、それを自分たちで状況に合わせて日々更新しながら、そのコミュニティ独自の歴史や文化を作っていくのです。こうした傾向は、インターネットをはじめコスプレや同人誌出版、電子工作など、いわゆるサブカルチャーの世界全般に広く見られます。
「新しい学び」の可能性
次のような学校を思い浮かべてみてください。生徒たちは全員勉強熱心で、自分で自分たちが学ぶべき目標を定め、わからないことがあれば積極的に先生に質問する。そして、守るべきルールも自分たちで決め、状況の変化に合わせて柔軟にそれを変更していく。まるで理想の教育現場ですが、実はこれは、サブカルチャーの世界で日常的に行われていることなのです。学習研究の観点から、サブカルチャーを見てみると、そこには「新しい学び」の可能性があると言えます。
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先生情報 / 大学情報
東京都市大学 メディア情報学部 社会メディア学科 准教授 岡部 大介 先生
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