「震災復興」と「地域活性化」を実現する人材をめざす!
進学や就職での新たな格差
東日本大震災は、進学・就職事情に大きな影響を与えています。震災直後、多くの企業や大学から奨学金や特別推薦枠などの支援もありましたが、徐々に支援の規模は縮小しています。例えば、成績優秀者にしか奨学金を出さないとなったケースでは、仮設住宅に住むことで学習環境が悪化したなど、本当に必要な人への支援が届きません。支援を受けられた人とそうでない人、復興が進まない地元を離れ職を得た世帯と仮設住宅に留まるしかない世帯など、新たな格差が生まれ始めています。
震災復興に必要なもの
復興のアイデアや資金などの提供の申し出はたくさんあります。ですが、現地に住み、被災地の方々と共に長期に活動する人はほとんどいません。地域課題の解決方法があったとしても、実行する人が足りません。また、どれほど鮮やかにパソコンでアイデアをプレゼンしても、馴染みがない人の話は簡単には聞けません。何年一緒に取り組んでくれるのか、最後まで一緒にやってくれるのかなどの「信頼」がないからです。復興の現場では、被災地の方々の復興への想いに寄り添い、共感し、人間同士の付き合いをし、じっくりゆっくりと、地域で信頼されることがまずは大切です。
真に地域を活性化する人材をめざす
「復興」と「地方活性化」、人口減少が課題の根幹にある点では共通しています。人口を増やすのは容易ではありません。また、企業リーダーの経験があれば、地域でも活躍できるのか。実は、そう簡単ではありません。地域には、昇進も左遷もなければ、社長や部長などの肩書きもない。あくまで公平な生活者の集まりです。組織の改善手法は、地域では役に立たない場合も数多くあります。
地域創生をうたう大学が近年増えていますが、若い人だけでなく、さまざまな経験を持つ人々が、地域の現場で活躍できる、そういう専門スキルをトレーニングする場でもあります。そこでは、同じ志を持った者同士のネットワークが全国に作れますし、地元とは違う地方で、地域活性化に取り組むという選択肢も生まれるでしょう。
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大正大学 地域創生学部 地域創生学科 教授 福島 真司 先生
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