講義No.11985 法学 政治学

法律の力で課題を解決する

法律の力で課題を解決する

地域を大きく変える「条例」の力

コロナ感染症の蔓延に対応するため「新型インフルエンザ等特別措置法」や「感染症予防法」といった法律に基づき、感染防止対策やワクチン接種等の壮大な政策が取り組まれました。法律というとどこか窮屈な印象もあるかもしれませんが、私たちの安全な暮らしを守るために存在しています。また、地方自治体ごとに定められるルールを「条例」といいますが、これら法律や条例を効果的に制定・運用することで地域の課題を解決し、改善するなど地域を大きく変える影響力をもっています。

条例で街に安全と景観が戻った

1990年代、全国の繁華街を中心にテレホンクラブと呼ばれる経営形態が多くあり、それを介したトラブルが社会問題化していました。高校生が被害者となったり、宣伝用のチラシが街中に散乱して景観を乱したりと、さまざまな悪影響が及んでいました。しかし当時は風俗営業法の規制対象外だったため、警察で取り締まることはできませんでした。そこで茨城県は警察とタッグを組み、全国に先駆けて業者と青少年の接触を遮断する「テレクラ規制条例」を1995年に制定しました。これにより強力な対策が行われ、水戸市で条例に違反したテレクラ事業者は廃業に追い込まれ、毎日街中にあふれていたチラシもなくなり、条例により地域に平穏と安全が取り戻されたわけです。

法律をよりよい社会に役立てる

この条例の成果をもとに後に風俗営業法が改正されました。地方行政が国に影響を与えたともいえます。また、このように条例を新たにつくるだけでなく、今ある条例や法律を解釈・活用すれば、私たちのよりよい暮らしに役立てることもできます。法律は防災や福祉、観光などさまざまな場面に関わっているからです。
行政とは役所ではなく、社会の仕組みのことで、人が一生涯、関わっていかなければならない領域です。行政で働く人間だけではなく、一般市民も法律についてもっと考え、よりよい未来のために提言する機会が多くなれば、もっと生きやく、潤いのある社会が実現できるはずです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

常磐大学 総合政策学部 法律行政学科 教授 吉田 勉 先生

常磐大学 総合政策学部 法律行政学科 教授 吉田 勉 先生

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行政法学、地方自治論

先生が目指すSDGs

メッセージ

実社会で活躍するうえでは合理的かつ論理的に自分の思いや考えをまとめたうえで、それを相手にきちんと伝え、十分に理解してもらうということが基本です。高校時代からテレビや新聞、ネットなどのニュースにアンテナを立てておき、話題について自分なりに考えて、意見をまとめる習慣をつけておくとよいでしょう。何がこの問題の課題なのか、どう対応すべきかなどがキーワードになるでしょう。大学ではいろいろな観点からさまざまな講義を用意しています。ぜひ大いに活用して、関心をもったことからどんどん学んでもらいたいと思います。

先生への質問

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常磐大学は、茨城県水戸市に位置し、3学部9学科を擁した地方総合大学です。学園創立100余年の歴史と伝統を礎に、「実学を重んじ真摯な態度を身につけた人間を育てる」という建学の精神のもと、実学重視のカリキュラムを展開。地域に密着したリアルな学びで社会に貢献できる実践力を養います。
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