言語習得のコツ。それは覚えて使って、そして楽しむこと

言語習得のコツ。それは覚えて使って、そして楽しむこと

変わっていないのは日本?

日本語学習を取り巻く、世界の状況は変わりました。一番変わっていないのは日本社会かもしれません。外国人から話しかけられると、逃げ出してしまう人がいまだに多くいます。日本語で話しかけられているにもかかわらずです。

Good Learnerのストラテジーを参考に

日本語学習が特に難しいということはありません。ひらがな・カタカナ・漢字と文字が3種類あり、負担が大きいということはあります。また、語彙数が多いという点もあります。ただ、言語学習という点では基本的にはどの言語も同じです。言語同士の親戚関係で学びやすいという人はいます。韓国人で3カ月で日本語をマスターしたという例がありました。
欧米人でも習得が速い人がいます。スピードの違いは個人の能力差ではありますが、習得の速い人は大抵の場合、日本語が習得言語の7番目だったり8番目だったりします。外国語の学習に、ストラテジー(戦略)やノウハウを持っていて、学び方を知っています。自分の身の回りでどんな言葉が必要かを知っているのです。それを覚えて、使う。10個覚えたら、すぐ店で使う。「覚えて使う、覚えて使う」を繰り返して習得するわけです。語彙順もすぐにキャッチして、一つ覚えるとすぐにアプライ(応用)する。複雑な文章になった場合の応用方法、文法構造の覚え方も独自のものを持っています。
最近、学習ストラテジーの研究が進んでいます。良い学習者(Good Learner)のストラテジーを応用すると、速い・おもしろい・効率がいい・楽しい。しかも、頭でっかちではなく、実践的な学習方法が身につきます。このストラテジーの応用は、日本人の外国語習得にも役立つはずです。ただ、ポイントはやはり自分で試してみて、自分で探しだすこと。やみくもに覚えようとするのではなく、「どうやったら覚えやすいか、身につけられるか?」をじっくり考えて見つける。自分自身の学習方法を見つけることに時間をかけることです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

国際教養大学 国際教養学部 日本語教育 教授 佐野 ひろみ 先生

国際教養大学 国際教養学部 日本語教育 教授 佐野 ひろみ 先生

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応用言語学/日本語教育/第二言語学習

メッセージ

目先の受験にとらわれるのではなく、地球規模で、さらに宇宙規模で、換言すればユニバーサルな視点で物事を考えてほしいと思います。
母国語以外の第二言語習得をめざしているあなたには、“Good Learner”(よい学習者)の学習ストラテジー(戦略)、つまり自律的な学習ノウハウを身につけてほしいと思います。自分で自分に合った方法を探しだして、覚えて使って、そして楽しむ。その上でいろいろな体験を重ねてほしいと思います。

国際教養大学に関心を持ったあなたは

国際教養大学の挑戦―それは、従来の日本の大学では実現が難しかった課題に向けて「国際教養」という新しい理念を掲げ、その特色を最大限に生かし、グローバル化が進む国際社会を舞台に存分に活躍できる優れた人材を養成することです。本学では斬新な教育プログラムに可能性を見い出した個性的な学生たちが、全国各地から集まっています。「ありきたりの大学生活では物足りない!」と考えているみなさん、「壮大な夢を抱く仲間たちとともに輝いてみたい!」と願うみなさんは、ぜひ一度本学を訪れてください。