英語が上達しないのには、理由があった!
英語学習の土台となる「コロケーション」
英語の習得には、英単語を覚え、それを文法ルールで組み上げればよいと考えている人が多いでしょう。ところが、言葉のほとんどは複数の単語の慣用的な結びつきでできています。これを「コロケーション(連語)」と呼びます。文法的には間違っていなくても、コロケーションがおかしいとネイティブには変に聞こえてしまうのです。その意味で、コロケーションは英語学習の「土台」というべきものです。しかし、多くの人はそれを理解していません。
1つの言葉から多くの表現法を獲得する
例えば、「約束(appointment)」という言葉では、「〜と約束がある」は「have an appointment with~」と言います。一方、「〜と約束をする」は、「make an appointment with~」と言います。つまり、約束という意味の英単語を知っているだけではだめで、これらの例にあるような動詞と名詞の結びつきを覚えないと通じる英語にはなりません。
この覚え方だと、「約束をどうするか」という形で横に広げていくことが可能です。また、「約束をする」はtakeやdoではなくmakeを使うことから、それぞれの動詞にどんな名詞が結びつくかを探索することも可能です。学習の効率という点で、1つの単語から多くの表現方法を手にすることができるのです。
言語のデータベースを利用して効率的に学習する
コロケーションは、辞書でもある程度調べることができますが、「コーパス」という言語データベースを利用すると、その言葉の頻度を含めて用例を確認できます。コーパスは実際に使用されている言葉を収集して、品詞などの属性を付与して集積したものです。英語だけでなくさまざまな言語があります。ネットに接続する環境があれば誰でも利用でき、無料サービスもあります。
外国語の習得は、より多くの言葉に触れ慣れることが大切だと言われています。それを効率的にできるコーパスは有効な手段なのです。
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九州大学 共創学部 共創学科 准教授 内田 諭 先生
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