高校生も立派な納税者 そもそも「税金」ってなんだろう?

高校生も立派な納税者 そもそも「税金」ってなんだろう?

高校生は「納税者」ではない?

高校生のあなたは、税金について「自分とは関係のないもの」と考えているとしたら、実はそうではありません。高校生なら、日ごろからコンビニや書店などで買い物をすることがあるはずです。買い物をした際、レシートには消費税が記載されています。消費税は消費するたびに生じる税金で、国の税収となっています。買い物をする場合、必ず消費税が生じるので、実は年齢に関係なく誰もが納税者です。

「税金は取られてしまうもの」は本当か?

そうした消費税も含めた税金に対して、日本では「国や地方自治体に取られてしまうお金」というイメージが広がっています。しかし、そのイメージは正しくありません。国や地方自治体は、私たちが納めた税金を用いて、私たちが必要とする公共サービスを提供しています。道路の整備や義務教育の実施、ごみの処理といった公共サービスは、私たちの暮らしになくてはならないものです。こうした領域の事業を市場原理によるサービス提供に任せていては、何をするにもお金が必要となり、富のある人だけが豊かで不便のない暮らしを満喫できる機会不平等な社会になってしまいます。そのような社会にしないためにも、税金は必要なのです。私たちが支払った税金は、巡り巡って、私たちの暮らしを支えています。

「受益と負担」のバランスを考える

そのような税金の本質を捉えると、「受益と負担のバランス」というキーワードが見えてきます。より充実した公共サービスを求めるなら、税負担も増やさなければなりません。税負担を増やさずに公共サービスを拡大する場合、必要なお金は国が借金をして賄わなくてはなりません。国の借金は、未来を生きる子どもたちが返済していくことになります。一方で、公共サービスは暮らしを支えるインフラ的な存在だからこそ、財源が足りないからと簡単に打ち切ることはできません。私たち一人ひとりが当事者意識を持って税金や未来の社会について考える必要があるのです。

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帝京大学 経済学部 地域経済学科 講師 宋 宇 先生

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メッセージ

大学で行うのは、知識を暗記してテストで高得点を狙うような「勉強」ではありません。大学は、自分の中に湧き上がる違和感や疑問を原動力に物事を調べ、突き詰めて考え、学びを深めていく場所です。あなたには、ぜひ高校生のうちに、身の回りの物事に疑問を持ち、それについて考える習慣をつけてほしいです。今のうちからそうした練習を重ねることで、大学での学びをより楽しむことができるようになるはずです。「疑問を持ち、考える」という社会を一歩前に動かす大切な力を、ぜひ育んでほしいです。

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帝京大学 宇都宮キャンパスは栃木県宇都宮市の北西部の高台にあるキャンパスで、理工学部の4学科(機械・精密システム工学科、航空宇宙工学科、情報電子工学科、バイオサイエンス学科)をはじめとして、医療技術学部柔道整復学科、経済学部地域経済学科が開設され現在は文系・医療系・理工系を擁するミニ総合キャンパスとなっております。それぞれの学問領域で交流を図りながら各分野のスペシャリストとして、将来、さまざまな分野の核として、地域に貢献できる人材を育成します。