地球温暖化に対する「新エネルギー」としての「風車」
「新エネルギー」とは何か
現代科学が明らかにしたところによると、地球温暖化は90%を超える確率で進みつつあります(IPCC<気候変動に関する政府間パネル>第4次報告、2007年)。温暖化の進行を緩和させるためには、温室効果ガスの排出を減らすことが必要であり、そうしたエネルギー供給の方法が、さまざまに模索されています。
この新しいエネルギー(新エネルギー)は、日本では次のように定義されています。1.化石燃料に代わるエネルギーを製造、発生、利用するものであること、2.経済性の面での制約から、普及が開発段階にあること、3.化石燃料に代わるエネルギーの促進に特に寄与するものであること。つまり、化石燃料を使わず、コストの問題も解決され、化石燃料に代わることができるエネルギーということです。
新エネルギーの一角を占める“風力発電”
そもそも、地球上のエネルギーは、元を正せばすべて、太陽のエネルギーに行き着きます。太陽の光をエネルギーに利用したのが、太陽光発電やバイオマス発電です。石油や石炭などの化石燃料もこれに含まれます。一方、太陽の熱を利用したものに熱発電があります。気象状況を利用した風力発電、水力発電などもこれに含まれます。
これらのうち、「新エネルギー」とは、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、地熱発電、水力発電などです。日本では、新エネルギーの代表格は太陽光発電ですが、風力発電も「新エネルギー」の一角を占めるものとして、世界的にも注目されてきています。
風のエネルギーを風車によって電気に変える
風力発電とは、風の力で風車を回し、その回転運動を発電機に伝えて電気を起こすという仕組みをもつ発電システムです。かつての風車は「ウインド・ミル」と呼ばれ、発電のためではなく、粉ひきなどのための動力を得るものでした。紀元前のアレキサンドリア時代から使われていたそうです。
それに対して、今日の発電用の風車は「ウインド・タービン」と呼ばれています。より性能が高く、環境に優しい風車をめざして、世界中で開発と研究が行われています。
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