天然由来の分子から世の中にない有機化合物を作る!

有機化合物の構造と性質
世の中には多くの有機化合物が存在します。有機化合物とは炭素と水素を含む化合物のことで生物を構成する成分をはじめ、医薬品、食品、プラスチックなど、私たちの身の回りのさまざまな物質がこれに含まれます。有機化合物は、同じ種類の原子からできていても、その並び方が異なるだけで性質の異なる物質になります。
例えばアルコールは、炭素の数が一つ違うだけで、メタノールとエタノールという違う分子になります。どちらも燃えやすい液体ですが、メタノールは毒性を持つ一方、エタノールは食品に利用されるなど人体への影響は大きく異なります。このように、有機化合物の構造と物性・生体への影響との関係を紐解き、新しい有機化合物を作り出す研究が行われています。
天然資源から分子を作る
新しい有機化合物の研究は、化粧品分野でも広く行われています。例えば、保湿剤などに用いられる乳化剤は、水になじみやすい部分と油になじみやすい部分の両方を持ち、その働きによって水と油を均一に混ぜることができます。こうした分子を、植物などの天然資源から作り出す研究が注目されています。実際に、米ぬかに含まれるフィチン酸をリンの原料とした泡立ちのよいリン酸エステルが開発され、化粧品への応用が検討されています。天然由来原料への関心が高まる中、新しい技術を用いた研究が進められています。
産学連携で商品化へ
作り出された有機化合物が世界で初めてのものであれば、データベースに登録され、開発者の名前が記録されます。また、有用な技術として特許を取得することもあります。これらの化合物を化粧品や医薬品として社会に届けるため、大学と企業が協力して研究・開発を行うこともあります。例えば、慢性腎炎では病状の進行に伴い、赤血球を作る指示を出すタンパク質が減少しますが、その働きを高める有機化合物を開発することで、新しい治療薬の研究が進められています。このように人々の健康や生活に役立つ新しい製品を生み出すことを目指して、有機化合物の研究が行われています。
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