赤ちゃんの初めての習い事は「食べる」 発達を支える小児歯科医

食べるときの舌は忙しい
「かむ」のは歯の役目だと思うかもしれません。でも、私たちは頰や顎(あご)の筋肉を動かして「かむ」という運動を行っています。食べものを左右の歯の上に乗せたり、丸めたり、のどに送り込んだりする舌の動きも大切です。舌は筋肉のかたまりで、上下・左右・前後に巧みに動きます。その動きが、頰や顎の動きとも連動しています。舌がしっかり働いてくれるから、私たちはきちんとかんで、おいしく食べることができるのです。
「30回かむ」よりも
食べる、話すなどの口の機能が十分に育っていない「口腔(こうくう)機能発達不全症」の子どもが増えています。口まわりや舌の筋肉の力が弱いことが原因の一つで、歯ならびや虫歯、いびきなどの問題にもつながります。
「硬いものをしっかりかんで食べましょう」「一口30回かみましょう」とよく言われますが、こうした指導は必ずしもよい結果を生みません。意識してかむと口がただ上下に動くだけになりやすく、舌や顎の発達にうまくつながらないことがわかってきています。特に乳幼児期の食育は「おいしく食べる」「楽しく食べる」ことが最も大切で、おいしいと味わうことでも自然にかむ力が養われると考えられています。
発達に合った離乳食
食べることは赤ちゃんにとって初めての習い事で、離乳食の硬さや大きさがステップアップすることで、徐々に食べ方を学習します。月齢に合わせて「○カ月になったら、こんな硬さ・大きさ」といった目安はあるものの、成長には個人差があり、歯の生える時期や生え方も一人一人違います。その子の発達ペースに合わせて離乳食を変えないと、よくかまずに飲み込んでしまい、かむ力が育ちません。
保護者が子どもの発達を見極めるのはとても難しいため、専門家である小児歯科医が保護者と関わり、食育をサポートすることが期待されています。小児歯科学では「0歳児からの発達支援」が大きなテーマとなっており、口腔機能発達不全症の予防・早期発見に関する研究も行われています。
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