講義No.16027 歯学

赤ちゃんの初めての習い事は「食べる」 発達を支える小児歯科医

赤ちゃんの初めての習い事は「食べる」 発達を支える小児歯科医

食べるときの舌は忙しい

「かむ」のは歯の役目だと思うかもしれません。でも、私たちは頰や顎(あご)の筋肉を動かして「かむ」という運動を行っています。食べものを左右の歯の上に乗せたり、丸めたり、のどに送り込んだりする舌の動きも大切です。舌は筋肉のかたまりで、上下・左右・前後に巧みに動きます。その動きが、頰や顎の動きとも連動しています。舌がしっかり働いてくれるから、私たちはきちんとかんで、おいしく食べることができるのです。

「30回かむ」よりも

食べる、話すなどの口の機能が十分に育っていない「口腔(こうくう)機能発達不全症」の子どもが増えています。口まわりや舌の筋肉の力が弱いことが原因の一つで、歯ならびや虫歯、いびきなどの問題にもつながります。
「硬いものをしっかりかんで食べましょう」「一口30回かみましょう」とよく言われますが、こうした指導は必ずしもよい結果を生みません。意識してかむと口がただ上下に動くだけになりやすく、舌や顎の発達にうまくつながらないことがわかってきています。特に乳幼児期の食育は「おいしく食べる」「楽しく食べる」ことが最も大切で、おいしいと味わうことでも自然にかむ力が養われると考えられています。

発達に合った離乳食

食べることは赤ちゃんにとって初めての習い事で、離乳食の硬さや大きさがステップアップすることで、徐々に食べ方を学習します。月齢に合わせて「○カ月になったら、こんな硬さ・大きさ」といった目安はあるものの、成長には個人差があり、歯の生える時期や生え方も一人一人違います。その子の発達ペースに合わせて離乳食を変えないと、よくかまずに飲み込んでしまい、かむ力が育ちません。
保護者が子どもの発達を見極めるのはとても難しいため、専門家である小児歯科医が保護者と関わり、食育をサポートすることが期待されています。小児歯科学では「0歳児からの発達支援」が大きなテーマとなっており、口腔機能発達不全症の予防・早期発見に関する研究も行われています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

日本歯科大学 生命歯学部  講師 名生 幸恵 先生

日本歯科大学 生命歯学部 講師 名生 幸恵 先生

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小児歯科学

メッセージ

いろいろなことに興味をもち、いろいろな経験をして、自分の好きなことを見つけてください。やりたいことが見つかれば、勉強は後からついてきます。歯科医師は医療職の中でワークライフバランスがとりやすく、趣味や子育てなどとの両立がしやすい仕事です。本学の学生もやりたいこと・つづけたいことを大切にしながら歯科医師をめざす人が多いです。120年の歴史があり、卒業生はさまざまな形でつながっているので、「人」という財産も得たいなら、ぜひ本学で歯科医師になる夢をかなえてください。

日本歯科大学に関心を持ったあなたは

歯科医学の総合的大学として生命歯学部(東京)と新潟生命歯学部の2つの歯学部を擁する大学です。明治40年に創立され、令和8年に創立120周年を迎えます。創立以来、「自主独立」の建学の精神のもと、歯科医学の黎明期のフロントランナーとして、わが国の歯学医学教育、研究、歯科医療を支え続けてきています。「幅広い教養と倫理観を持った医療人の育成」を教育目標に掲げ、歯・口腔のみならず生命体全体を学ぶ教育を展開し、知識・技術・倫理観を兼ね備えた歯科医師の育成を通じ、国民の健康と福祉への貢献を目指しています。