運動神経は才能じゃない 「イメージ通りに動ける力」を解明する

足が速い=運動神経がいい?
「運動神経がいい」と聞くと、足が速い人や筋力が強い人を想像しがちです。しかし、運動神経には巧緻(こうち)性、調整力、再現性などの要素があり、その総合力がいわゆる運動神経の良しあしに関わってきます。そんな運動神経に関わる「思った通りに体を動かせる能力」について研究が行われています。
研究ではまずサッカー選手の足、野球選手の手の「調整力」に着目しました。競技によってよく使う部位が異なるため、部位ごとの差があると思われていましたが、実際に測定してみると、予想ほど大きな違いは見られませんでした。逆に、陸上選手は単純な動作に見えて、動きを細かく再現する力に優れている傾向も見えてきました。競技ごとに必要な運動神経とは何か、という問題について、研究が続いています。
自分の動きを認識する
練習では、動画による動作分析も重要です。大学の陸上部で、自分の走りを撮影してフォームを見直すトレーニングを行ったところ、100mのタイムを一冬で1秒以上縮めた学生もいました。ポイントは、イメージしていた動きと実際の動きの違いを細かいところまで認識できる点です。
動画でフォームを確認するだけでも、プレーの感覚や動き方の意識ががらりと変わる事例は多くあり、小さな動作の修正が大きなパフォーマンス向上の"キッカケ"になる可能性もあります。加えて、自分を客観視して分析する習慣は成長の助けになります。
運動神経は後天的に伸ばせる
運動神経は生まれつきの要素だけで決まるものではなく、後天的に伸ばせる能力です。特に小学生年代は「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、神経系の機能が大きく発達します。そのため複数の競技、またはダンスのように複合的な動きを経験することが重要です。
「運動神経とは何か」という研究を突き詰めていくと、将来は、「巧みに動く力」を学校で測定できる方法が確立され、体力テストの新たな指標ができるかもしれません。今は見逃されている才能を発見できる可能性がある研究なのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
