マインドフルネスを使った看護で患者の眠りを支える

入院患者の「眠れない」にアプローチ
授業中に「先生の話を聞かなければ」と思っているのに、気づけば部活や友達との会話、週末の予定など、別のことを考えてしまうことは誰にでもあるでしょう。実は、「人は何かをしているとき、半分くらいは別のことを考えている」と言われています。
こうした気が散ってしまう状態にあるときに、呼吸や足の裏の感覚など「今、この瞬間」に意識を向けることで、気持ちを落ち着かせたり、集中力を高めたりする手法が「マインドフルネス」です。これを入院患者の睡眠支援に応用する看護技術の研究が行われています。
横になったままできるセルフケア
入院患者の多くは、「眠れない」という悩みを抱えています。原因は人によってさまざまです。病気による痛みだけでなく、治療のために点滴やドレーンなどの器具につながれて自由に動けないことや、同室の患者の物音、慣れない環境など、複数の要因が重なって眠れなくなることも少なくありません。
そこで注目されているのが、呼吸に意識を向けるマインドフルネスです。これは、「何秒間息を吸って……」などと呼吸をコントロールする必要はなく、自分の呼吸をそのまま感じるだけで実践できるセルフケアです。薬を飲んだり道具を使ったりする必要もありません。ベッドに寝たままでも、患者自身で取り組めるのが大きな利点です。
臨床現場で検証中
現在は、外来で化学療法を受ける患者に協力してもらい、マインドフルネスを取り入れた音声ガイドを使って、睡眠の導入を促す方法が試されています。「睡眠薬を飲まなくても眠れた」という声が聞かれるなど、実際に睡眠の改善を実感する患者もおり、効果が少しずつ見え始めています。今後は、より環境が複雑な入院患者にも対象を広げ、臨床現場で活用できる看護技術として検証が進められる予定です。将来的には、患者の睡眠を支えるだけでなく、看護学生や看護師のセルフケアにも応用されることが期待されます。
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