トップダウンかボトムアップか 組織変革のために必要なパワーとは

自治体の財政改革
人口減少をはじめ社会環境の変化に応じて、企業や自治体は組織のあり方を見直し、新しい仕組みを取り入れる必要があります。ある自治体では、厳しい懐事情を背景に大きな改革が行われました。まず取り組んだのは財政改革です。財政部署が中心となり、どの仕事にどれだけお金を使うかを見直しながら、各部署の仕事を整理するという「トップダウン」で改革が進められました。予算を握る部署が強い力を持ち、組織全体の改革を推し進めたのです。
組織は同じ変革を繰り返す?
組織変革の研究では、トップが主導する「トップダウン」と、現場が主体となる「ボトムアップ」の2つの型がよく知られます。しかし実際には、どちらか一方だけのやり方で変革が進むわけではありません。
組織変革においては、「変革ルーティン」という考え方があります。これは、組織が過去の変革で身につけた行動パターンが次の変革にも影響するというものです。トップダウン型の変革を経験した組織は、その後の改革でも同じような方法を取りやすくなると考えられています。ところが、前述の自治体では、過去とは異なる方法で新たな改革を行いました。財政改革の後、この自治体は「働き方改革」にも取り組みましたが、そこでは一方的な命令ではなく、各部署が主体的に取り組めるよう、仕組みが工夫されていました。
異なるパワーの形成
ここで注目されるのが、「パワー(影響力)」です。トップダウン型の財政改革に対して、働き方改革では別の形のパワーが発揮されました。改革を担当する部署が、まず自分たちでオフィス改革などの取り組みを実践し、その成果をほかの部署に示します。さらに別の成功事例を共有したり、必要に応じてアドバイスしたりすることで、各部署が自発的に改革へ参加する流れをつくったのです。つまり強制ではなく、納得や共感を通じて取り組みが進められていきました。このように、目的や状況に応じて異なるパワーが形成されることが組織変革には必要だと考えられ、さらなる研究が進められています。
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