口腔健康は全身医療の一部? 注目度が高まる歯科衛生士

口腔管理は疾患予防に有効
歯科医院では、虫歯などの治療のほか、ブラッシング指導や歯石除去といった専門的な口腔(こうくう)ケアが行われます。口腔ケアを怠って歯周病菌などの細菌が増えると、それが血液や気管に入り込み、誤嚥(ごえん)性肺炎や糖尿病、心筋梗塞といった疾患のリスクが高まります。つまり、口腔ケアは虫歯や歯周病の予防だけではなく、命に関わる病気から守ることも目的にしているのです。
また、虫歯や歯周病がなくても、口腔ケアが重要になるケースがあります。それが、手術やがん治療などを必要とする人たちです。
チーム医療で患者をケア
病院ではチーム医療の一環として、術前、術中(急性期)、術後、退院・社会復帰に至るまで専門的な口腔機能管理が行われます。そこに関わるのが、専門的口腔ケアのスペシャリストである歯科衛生士です。
歯科医師が手術前に歯科検診を行い、歯科治療を行うのと同時に、歯科衛生士は専門的口腔ケアを行います。すると、術中や術後に発症しやすい口腔内の炎症や肺炎などを予防できます。結果として術後の経過がよくなり、入院期間を短縮できます。
また、抗がん剤治療や放射線治療をする人は、副作用によって口腔内の粘膜がただれる炎症を起こしやすく、痛みを伴うため、自分で歯を磨くことが難しくなります。そこで、歯科衛生士が口腔ケアを行い、口腔内を清潔に保ち、ほかの疾患につながることを防ぎます。
健康維持、医療費削減にも貢献
疾患によって口腔機能が低下すると、食べる力や言葉を発する力が弱まるといった影響があります。歯科衛生士は、看護師と飲み込みトレーニングや、言語聴覚士と発音機能向上のリハビリ、栄養士と栄養摂取のサポートを行うなど、口腔機能向上に努めて退院や社会復帰につなげます。
近年、こうした専門的口腔ケアの重要性が社会的に認知されつつあります。企業や保健所、高齢者施設など、さまざまなシーンで口腔ケアの重要性をさらに広げることが、人々の健康維持や疾患予防になり、それが医療費削減にもつながっていくのです。
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