訪問看護師は伴奏者 「自分らしく生きる」を支える在宅看護の魅力

一人ひとりの暮らしに寄り添う在宅看護
在宅看護の対象者は、小児から高齢者まで幅広く、がんや難病、認知症、障がいなど多様な健康課題を抱えています。病院では複数の患者を同時に看護しますが、在宅看護は目の前の一人に全力で向き合い看護します。同じ病気でも、住環境や家族構成など、日々の暮らしは一人ひとり異なるため、その人の生活状況に応じた関わりと支援が求められます。こうした特徴から、在宅看護は看護師が生活の場に赴き、本人や家族の歩みにそっと寄り添い共に歩む「伴走」の役割であり、訪問看護師は、専門的な知識と技術でその人らしい生活を支える人生の「伴奏者」なのです。医療と生活の双方を支える在宅看護は、これからの社会において一層重要性を増す分野です。
「自分らしく生きる」を最期まで支える在宅看護
在宅看護では、人生の最期をどこで迎えたいのかという問いに向き合うことがあります。ある患者が病状の悪化で救急搬送され入院しましたが、本人と家族の希望により、医師や訪問看護師の支えを受けて自宅へ戻ることになりました。帰宅してまもなくのこと、呼びかけに応じて目を開き、静かに息を吐きながら「家だ……」と穏やかな笑みを浮かべたその一言が最期の言葉となりました。医療体制が限られる自宅であっても、住み慣れた環境や家族と過ごす時間がその人らしい最期につながります。在宅看護は、生き方や最期のあり方に寄り添う看護です。
これからの在宅看護を支える人材づくり
在宅看護の需要の高まりに伴い、人材の育成が重要な課題となっています。これまでは病院で経験を経て訪問看護に進むケースが一般的でしたが、近年では新卒で訪問看護を志す人も増えています。そのため、学生のうちから在宅看護について体系的に学び、実際の現場についても理解を深める教育の充実が求められます。在宅看護のニーズが拡大する中、患者の生活や家族関係を含めて支える力はますます重要となっています。時代に即した看護を社会に定着させるためにも、在宅看護の教育の充実が大きな鍵を握っています。
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