認知症の人はゆっくり寝るのが難しい? 睡眠を「見える化」

睡眠障害は本人も介護者も苦痛を抱える
認知症の人の自宅での生活を継続する上で、大事になるのが睡眠の問題です。夜眠れずに昼間に眠ってしまうと、日中の活動量が減り、デイサービスなどの利用が難しくなることがあります。その結果、余計に夜眠れなくなる、といった悪循環に陥ってしまうのです。加えて、認知症の本人が眠れず、夜中に何度も起き上がると、家族介護者も目が覚め、転倒などの恐れがあると気が抜けません。排せつ介助が必要な場合は、その都度起きて、ゆっくり眠れない日々が続きます。その結果、本人も介護する家族も心身ともに疲弊し、やがて自宅での介護が限界を迎える要因となります。
自宅での睡眠の状態を調査
認知症の人の多くが夜眠れていない実態や、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症など、原因疾患によって睡眠の乱れ方に違いがあることは、近年の研究で明らかになっています。
こうした自宅での睡眠状況を調べるため、ベッドや布団の下に敷くだけで睡眠・覚醒の状態を記録できる「非装着型アクチグラフ」を使って測定したところ、認知症の人は夜間の覚醒や離床(布団から離れる)回数が非常に多いことが見えてきました。また、本人への聞き取りで「よく眠れている」と回答した場合でも、睡眠測定結果では、睡眠が頻回に分断されているケースがあることも判明しました。
その一方で、高齢者では本人が「よく眠れている」と感じていることは、幸福感と関係していることも示唆されています。
一人一人に合わせた対策が必要
睡眠にはさまざまな要素が絡み合うため、解決法を一律に示すことは困難です。基本は、身体症状、活動量、食事、環境調整(光や温度など)、精神面のケアなどの非薬物的療法と薬物療法を、その人の状況に合わせて行います。生活リズムを整えて、食事の時間にしっかり起きていられるようになるだけで、誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクを減らすことができます。小さな成果を積み重ねて、本人のウェルビーイングと介護者の負担軽減につなげる研究が続けられています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
![選択:[SDGsアイコン目標3]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-3-active.png )
![選択:[SDGsアイコン目標11]](https://telemail.jp/shingaku/requestren/img/data/SDGs-11-active.png )
