コミュニケーションが変える、がん医療の未来

「質問しづらい」は命にかかわる
病院を受診したとき、「説明が難しいな」「質問しづらいな」と思ったことはありませんか?
医療におけるコミュニケーションは、患者の命にかかわる大切な情報を、患者と医療者が伝えあう重要なやりとりです。医療者が一方的に話し、専門用語を使って説明する「悪い」コミュニケーションは、がん患者の不安を強め、情報が正しく伝わらない可能性があります。その問題を解決しようとするのが、がん医療におけるコミュニケーション研究です。
日本のがん患者が希望するコミュニケーション
では、がん患者はどのようなコミュニケーションを望んでいるのでしょうか。国内の調査では、日本のがん患者の多くが、「医療者に温かく接してほしい」「質問を促してほしい」と考えていることが明らかになりました。そのほかにも、日本のがん患者の多くが望むコミュニケーション、望まないコミュニケーション、人によって意向が分かれるコミュニケーションがわかってきました。そうした意向を基に、がん患者-医療者間のコミュニケーション向上をめざすプログラムの開発と普及が進められています。
コミュニケーションががん医療を変える
その一つが、医師向けのコミュニケーション・スキル・トレーニング「SHARE(シェア)」です。SHAREでは、患者役とのロール・プレイを通して、がんの診断や再発など、患者にとっての重大な知らせを伝える練習をします。SHAREを受講した医師の患者は、気持ちの落ち込みが軽くなり、医師への信頼が高まることが研究で確認されています。また、患者向けには、医師との面談前に患者が質問内容を整理できる「質問促進リスト」も開発され、普及が進められています。
かつて医療業界では、医師が方針を決め、患者がそれに従う形が一般的でした。しかし、今は患者と医療者が共に考え、患者が納得して決める形へと変わりつつあります。がん医療におけるコミュニケーション研究は、これからのがん医療のあり方そのものを変えていく可能性があります。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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先生情報 / 大学情報

関西医科大学 看護学部 治療看護分野 がん看護学領域 教授 白井 由紀 先生
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がん看護学、精神腫瘍学、緩和医療学先生が目指すSDGs
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