痛みの緩和に有効な電気治療のメカニズム

電気治療は2000年以上の歴史
肉離れやねんざ、打撲などのけがの痛み治療に、電気治療があります。歴史は古く、2000年以上前にシビレエイの放出する電気を使い、患者の痛みを和らげたといわれています。
その後、1965年に「ゲートコントロールセオリー」という理論が発表されます。刺激を伝える神経には、痛みを伝える「細く伝達速度が遅いC線維」と、触覚などによる圧力を伝える「太く伝達速度が早いAβ線維」があります。患部をさすると痛みが和らぐのは、脊髄にC線維の信号が到達する前にAβ線維の信号が届いて、痛みに対して「ゲート(門)が閉じる」という考え方です。これを応用して痛みを緩和するために、電気治療が確立されました。
電気治療とマッサージ
痛みを和らげる電気治療は、TENS(経皮的電気神経刺激療法)と呼ばれています。これは痛みの原因となる対象箇所の皮膚の表面に電極パッドを貼り、神経に微弱の電気刺激を与えて、痛みやコリを緩和するものです。手でさすれるのは1秒間に5回程度ですが、電気は100回以上の持続的な刺激が可能なため、ヒトの手では再現できない早く強い刺激が与えられます。
主に神経に効果があるTENSですが、筋肉を収縮させ血流を良くするマッサージ効果も期待できます。
電気治療は幅広い用途
手術後、痛みに苦しむ患者もいます。この場合は鎮痛薬である医療用のモルヒネを投与して、痛みを和らげます。しかしモルヒネには副作用もあり、使いすぎると頭痛や吐き気をもよおすことがあります。このようなときに、補完的に電気治療を行うことがあります。また、EMS(神経筋電気刺激療法)という電気治療もあります。こちらは皮膚の深層部分まで届かせるもので、筋力トレーニングやボディーメイクなど美容にも使われています。
電気治療は、古代から経験的に用いられたものを科学的に進化させて、安全で効果的な治療方法を確立させているのです。
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