講義No.16437 看護学

子どもと家族を支える看護の力 ―親子関係と子育て支援―

子どもと家族を支える看護の力 ―親子関係と子育て支援―

子育ての大変さ

現在の日本では、少子化や核家族化、共働き世帯の増加、経済格差などにより、子育ての悩みを抱え込みやすい社会になっています。また、COVID-19の流行により、人と人とのつながりが希薄になったことも子育ての孤立を深める一因となりました。こうした背景から、子どもとの関わり方に悩みを抱える親は少なくありません。研究では、育児ストレスや孤立感が高まると、親子関係に影響を及ぼし、子どもへの不適切な関わりや虐待のリスクを高めることが明らかになっています。

温かな親子関係

子どもが成長するためには、「安心」を感じる親子関係、つまり、愛着形成が大切です。しかし、親や子どもが強いストレスを抱えている、周囲から十分な支援を受けられない場合、親が子どものサインに応答することが難しくなり、愛着形成に影響を及ぼすことがあります。そこで近年、親子関係に関連した研究を基盤に、親子の関わり方に注目した支援が行われています。例えば、子どもに対して具体的にほめる・言葉を繰り返す・行動を言葉にするということを意識して関わります。同時に、命令や批判、質問を避け、子どもの主体性を尊重します。このような関わりを続けることで、子どもは「自分は大切にされている」と感じ、安心感や自信を育んでいきます。また、親も子どもの変化を実感しやすくなり、育児への自信や安心感につながります。

親子を支える看護

看護師は、病院では子どもや家族が安心して治療や検査に向き合えるよう支援し、退院後の生活も見据えた看護を行います。また、地域では子育て相談や育児教室、親子支援プログラムなどを通して、親子の愛着形成を支えます。こうした支援は、行動科学やアタッチメント理論などの研究成果に基づいています。看護師は、研究に基づく専門的な知識や技術を実践に活かし、親子の関わりを支えています。その結果、子どもの健やかな成長・発達と良好な親子関係の形成につながることが期待されています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

福岡看護大学 看護学部 看護学科 准教授 青野 広子 先生

福岡看護大学 看護学部 看護学科 准教授 青野 広子 先生

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小児看護学

メッセージ

「看護師」というと、病院や施設で医療を提供する仕事を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、看護には、医療とともに、その人らしい生活や人とのつながりを大切にする視点もあります。特に小児看護では、成長・発達の途中にある子どもの特徴を理解し、一人の人として尊重しながら関わることを大切にしています。また、子どもにとって最初の人間関係である親子関係を温かく育むことも、看護師の大切な役割の一つです。この機会に、子どもの成長や発達、そして親子関係の大切さに興味をもってもらえたら嬉しいです。

福岡看護大学に関心を持ったあなたは

福岡看護大学は、学校法人福岡学園グループ内の福岡歯科大学で長年培われた教育・研究実績を生かし、「口腔医学」を取り入れた新しい看護学を展開するカリキュラムが大きな特色です。近年、口腔機能は健康に重要とされ介護・医療・福祉では口腔医学・ケアの知識・技術をもつ看護師が求められています。高度な看護学とともに、このニーズに応える新しい看護の形を構築し、健康長寿社会に貢献できる看護専門職の育成を目指してます。また「その人らしい最適な生活(well-being)」を大切にし、支える看護専門職の育成を行います。