子どもと家族を支える看護の力 ―親子関係と子育て支援―

子育ての大変さ
現在の日本では、少子化や核家族化、共働き世帯の増加、経済格差などにより、子育ての悩みを抱え込みやすい社会になっています。また、COVID-19の流行により、人と人とのつながりが希薄になったことも子育ての孤立を深める一因となりました。こうした背景から、子どもとの関わり方に悩みを抱える親は少なくありません。研究では、育児ストレスや孤立感が高まると、親子関係に影響を及ぼし、子どもへの不適切な関わりや虐待のリスクを高めることが明らかになっています。
温かな親子関係
子どもが成長するためには、「安心」を感じる親子関係、つまり、愛着形成が大切です。しかし、親や子どもが強いストレスを抱えている、周囲から十分な支援を受けられない場合、親が子どものサインに応答することが難しくなり、愛着形成に影響を及ぼすことがあります。そこで近年、親子関係に関連した研究を基盤に、親子の関わり方に注目した支援が行われています。例えば、子どもに対して具体的にほめる・言葉を繰り返す・行動を言葉にするということを意識して関わります。同時に、命令や批判、質問を避け、子どもの主体性を尊重します。このような関わりを続けることで、子どもは「自分は大切にされている」と感じ、安心感や自信を育んでいきます。また、親も子どもの変化を実感しやすくなり、育児への自信や安心感につながります。
親子を支える看護
看護師は、病院では子どもや家族が安心して治療や検査に向き合えるよう支援し、退院後の生活も見据えた看護を行います。また、地域では子育て相談や育児教室、親子支援プログラムなどを通して、親子の愛着形成を支えます。こうした支援は、行動科学やアタッチメント理論などの研究成果に基づいています。看護師は、研究に基づく専門的な知識や技術を実践に活かし、親子の関わりを支えています。その結果、子どもの健やかな成長・発達と良好な親子関係の形成につながることが期待されています。
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