講義No.16492 看護学

薬とうまく付き合うには 子どもの「てんかん」の服薬支援

薬とうまく付き合うには 子どもの「てんかん」の服薬支援

薬を飲み続ける苦労は

てんかんは、脳の神経細胞に電気的な乱れが起こることで、けいれんなどの発作が起こる病気です。発病する時期は乳幼児期から高齢期まで幅広いものの、3歳以下で発病するケースが多いとされています。服薬により7~8割程度の人は発作を抑えられますが、その効果を保つためには、長期間にわたって毎日欠かさず薬を飲み続ける必要があります。
ここで難しいのは、子どもは自分一人で薬を管理できないという点です。小さいうちは保護者が服薬を管理する必要があり、保護者にはさまざまな困りごとが生じます。年齢や発達段階によって悩みは移り変わっていきます。粉薬と錠剤ではどちらが飲みやすいのか、小学校に上がってからの日中の服薬はどうするのか、薬を飲んでいることを友達に知られたくない子どもの気持ちにどう寄り添うのか、と多くの保護者が迷いを抱えます。

保護者の困りごとを知る仕組み

この問題を解決するためには、それぞれの保護者が持つ困りごとを把握する必要があります。ところが国内には、それを正確に把握する仕組みがありませんでした。
そこで、アメリカで開発された、てんかん児の保護者の状況を聞き取る「PEMSQ」という評価基準が、日本語版に翻訳されました。通院の負担、薬の必要性の確信度、薬の保管場所の悩みなど、項目は多岐にわたります。日本でも運用可能かを検証した結果、全27項目に過不足はなく、日本の実情にも即した内容であることが確認されました。

薬と正しく向き合うために

この評価基準の実装でめざすのは、保護者の理解度を医療者が把握し、的確な情報を届けられるような体制です。保護者がしっかり理解できれば、その先にいる子どもの理解も進みます。
最終的な目標は、子ども自身が病気を正しく理解し、薬と向き合えるようになることです。病気や障害にかかわらず、自分らしく生きられるような、適切な服薬支援のあり方を考えることが重要なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

新潟医療福祉大学 看護学部 看護学科 准教授 山田 真衣 先生

新潟医療福祉大学 看護学部 看護学科 准教授 山田 真衣 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

小児看護学

メッセージ

看護師の仕事には、患者さんの言葉の裏にある気持ちや困りごとなど、目に見えない内面を想像する力が欠かせません。それは正しい知識があって初めて発揮できるものです。今はAIに聞けばすぐに答えが出る時代ですが、その最短プロセスからはたった一つのことしかわかりません。一方で、教科書や本を使って段階を踏みながら調べれば、網の目のように新しい疑問や知識が自分の中に広がっていきます。自分で探求する習慣を身につけると、将来どんな分野に進んでも必ず役立ちます。

新潟医療福祉大学に関心を持ったあなたは

6学部15学科すべての学科で国家資格をはじめとした専門資格の取得に対応したカリキュラムを配置しています。また、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉の総合大学である利点を生かし、他学科の学生がチームを形成して学ぶ「連携教育」を導入し、関連職種への理解やコミュニケーション技法を身につけることで実践的な「チーム医療」を学びます。さらに、【スポーツ×リハビリ】【看護×福祉】など、学科コラボによる学びで、幅広い知識を修得します。