テクノロジーが変える? 未来の旅行の姿

記憶する昭和・平成初期の旅行
コロナ禍で移動が制限された時期を経て、旅行が再び非日常を楽しむイベントとして戻ってきました。令和の現在と、昭和・平成初期に求めるものには、共通点もあれば相違点もあります。
昭和・平成初期は、歴史や景観、食べ物、祭りなどでその土地の魅力に触れ、さまざまなものを感じ取り、記念や思い出として多かれ少なかれ写真を残しました。携帯電話は存在しないため、連絡は固定電話です。そして情報収集には、紙のガイドブックやパンフレットが欠かせませんでした。
記録する令和の旅行
令和の今も、その土地の魅力に触れることは旅行の醍醐味(だいごみ)です。しかし今の高校生には、「それだけ?」と感じるかもしれません。それは昭和・平成初期の旅行が、個人と家族・友人など「限られた人」との共有だからです。現在はスマホでこまめに写真を撮り、SNSにすぐ発信します。「多くの人」に共有して評価を得るのが目的にもなっています。情報収集は、スマホで行きたい場所の公式サイトやSNSを検索します。テクノロジーの進化が、旅行の形態や目的を大きく変えたのです。
自らの心に記憶するのが昭和・平成初期の旅行ならば、記録して他人とも共有するのが令和の旅行ともいえるでしょう。
未来の旅行は?
テクノロジーの進化の一つに生成AIがあり、さまざまな業界で活用されています。例えば旅行会社では、社員が自身の経験を生かして、客の特性をもとにプランニングします。要望や好みはそれぞれなので、時間のかかる作業です。これが生成AIの進化により、いわば組織ごと、個人ごとに秘書やブレーンが付く形になり、劇的に変わっていくと考えられます。
また、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの科学技術を駆使すれば、現地で時空を超えた観光ができるのではないかと考えられます。例えば歴史好きな人が、関ケ原の戦いの地に行き、戦国武将になりきる体験をするなど、ひと昔前だと不可能とされていたことも、現在は可能性があるのです。
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