機械に必須! 「回る」を支えるベアリングで未来を創る

機械の回転部分に欠かせない部品
モータや車輪など、回転する機構には「軸」があり、それを支える「ベアリング(軸受)」という部品が使われています。いくつもの金属の玉を軸の周りを囲むようにぐるりと配置し、軸の回転に合わせて玉が転がる仕組みで摩擦を減らします。歯科用のドリルから、トンネルを掘るシールドマシンなど大きさもさまざまです。一般家庭の家電製品全部を合わせると、約150個のベアリングが使われています。
ベアリングの構造はレオナルド・ダ・ビンチが考えたとも言われます。日本では、1916年から生産が始まり、現在でも代替できない重要な部品で、時代に合わせて常に進化を続けています。
機械の特性に応じた性能が求められている
近年では、環境問題に配慮した機械が開発されていますが、それに応じたベアリングの開発が求められています。その一つが、ベアリングへ被膜の適用です。
ベアリングには摩耗を防ぐために潤滑油が使用されますが、低速回転では油の効果を得ることができません。風力発電ユニットの主軸などでは、表面を保護する膜をつけて、摩耗を防ぎます。また、電気自動車などに使われるベアリングは、電気が通って腐食する電食という現象が起きます。それを防ぐためにも、セラミックなどの絶縁物質の皮膜をつける技術が重要です。
あらゆる環境で使えるベアリングを
現在期待されているのが、冷却液の中でも使えるベアリングです。データセンターのコンピュータ用冷媒を循環させるファンやポンプのベアリングで、冷媒自体を潤滑剤として使おうという研究が進んでいます。
また、人工衛星やロケットなどに使えるベアリングも求められています。真空でも蒸発しにくく、激しい温度差にも耐えられる潤滑油や、潤滑油を使わないベアリングが、宇宙の時代に必要とされています。
科学技術の発展とともに機械は日々進化していますが、機械の進化によってベアリングに求められる性能も時代によって変化していきますので、それに対応していかなければなりません。
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