「“地域をともにつくる”子どもたち」をめざす授業づくりとは

社会に自分たちは参加している
小学校の地域学習では、学区の歴史や産業を扱います。北海道のある学校では、かつて栄えていた町の炭鉱を調べる学習が行われました。児童たちは地域の人に聞き取りを行い、町に残る石碑を訪れます。そこには炭鉱で働き亡くなった方々の名前が刻まれており、ある児童のひいおじいさんの名前が見つかりました。過去の出来事が「自分の家族の歴史」とつながった瞬間、社会科が単なる知識の暗記ではなく、「自分とつながる物語」として実感されたのです。地域を学ぶことは、時代や人の営みを身近に感じる大きなきっかけになります。
「身近な社会」を理解する入口
社会科の授業というと、政治や企業活動といった大きな世界を学ぶものと思い浮かべがちですが、子どもが最初に出会う社会は、家の周りの町や学区といった日常の環境です。そこには働く大人がいて、生活を支える仕組みがあり、子ども自身も市民として生活しています。地域での学習は、こうした身近な世界を見つめながら社会の仕組みを生活と結びつけて理解するための学びです。地域には、産業、歴史、交通、人口など、子どもの目でも見えるリアルな社会モデルが存在しています。それらを手がかりにすることで、社会の構造や課題を自分に引き寄せて考えられるようになります。
探究を深めるために必要なことは何か
地域学習をより深めるためには、「探究に値する教材」が欠かせません。探究の「方法」も大事ですが、質を決めるのは「何を探究するのか」というテーマそのものです。例えば地域の産業を探究する場合も、そこに生きた人々の労働や生活を掘り起こしたり、地域が抱える課題、今の自分とのつながりを考えられる問いを設定することが重要です。地域の出来事を起点に「なぜ?」という疑問を積み重ねることで、社会への理解が広がり、自分の住む地域をより深く考えるきっかけになります。地域学習は、身近な場所から社会の見方を育て、未来をつくる力へとつながる学びなのです。そのためには教える側の「教材研究」が大事となります。
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先生情報 / 大学情報

北海道教育大学 教育学部 教員養成課程(札幌校) 講師 村越 含博 先生
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