地理は「発見」がおもしろい! 興味が湧く授業の組み立て方とは

共感的理解をめざす地理授業
小学校3年生の社会科の授業で行った「まちたんけん」の授業を覚えていますか。身近な地域や市町村を観察・調査して、その場所や人に親しみを持ったのではないでしょうか。一方、中学校の地理的分野では学習内容がとても多く、時間内にすべてのことを学ぶためには暗記中心の授業が展開されることもあります。しかし本来、地理学習は、地形や気候などの自然環境と人々の生活や文化のつながりを学び、その土地の人々の様子を発見し、そのことを共感的に理解することを目的とするものなのです。
チーズと木靴から始まるオランダの授業
オランダをテーマとした授業で、教師はチーズの塊(4㎏)と木靴を持って教室に入ってきました。生徒は興味津々です。授業の冒頭で①風車と牧草地、②風車とチューリップ畑が写っている2枚の写真を提示し、どちらがオランダで撮影されたかという問いを投げかけました。オランダは国土の4分の1が干拓地です。教師は干拓地の現状とその分布、偏西風と風車を活用した海水の排水システムを説明しました。その後、干拓地の土地利用について、地質も関係して穀物栽培が難しいので酪農が行なわれていることを紹介しました。そして、排水後のぬかるんだ土地で作業するため、水がしみこまない木靴が使われることも説明します。それは、最初に提示した、チーズと木靴が授業と結びつく瞬間でした。そうして、生徒は風車と牧草地がオランダの写真であることを理解しました。
授業に必要な3つの要素
授業には「導入」「展開」「まとめ」の、3つの構成要素があります。オランダの授業で教師は「導入」として、大きなチーズや木靴で生徒の興味関心を高め、写真を使って授業での問いを提示します。「展開」で問いに対する答えを導きだし、「まとめ」で学習の振り返りをします。この3部構成を意識することで、「知って楽しい」と感じる世界地理の授業が実現できます。このように教育学では、よりよい教育を追究するため、授業のつくり方や組み立て方を常に考えているのです。
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東北福祉大学 教育学部 教育学科 中等教育専攻 准教授 大谷 誠一 先生
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