学校は本当に男女平等? 教育に潜む「当たり前」を見直す

当たり前を疑う
教育社会学は、当たり前だと思っている学校や教育の仕組みを一歩引いて見直し、問い直す学問です。例えば、日本では約7割の人が「学校教育はすでに男女平等」だと考えています。この数字をうのみにせず、本当に平等なのかを検証して、実態を浮かび上がらせるのです。
明文化された制度やカリキュラムでは男女平等が実現されていても、授業中の何気ない声かけや、部活動での役割分担はどうでしょうか。無意識のうちに「男子はこう」「女子はこう」という前提が入り込んでいないでしょうか。こうした「隠れたカリキュラム」の方が、明示的なものよりも強く役割意識を植え付けている可能性があるのです。
実現済という意識の壁
「すでに平等である」という認識が強いため、学校現場ではジェンダーに関する教育の優先順位は低くされがちです。いじめ対策や学級経営の方が喫緊の課題だという意見が多く聞かれます。しかし、ジェンダーの視点こそ、すべての教育問題に対応するための基礎中の基礎です。一人一人を性別で決めつけず、その子自身として見れば、より適切な支援ができるはずです。
ジェンダー教育を実践しようとする教師もいます。しかし、その取り組みが学校全体に広がらないのが現状です。教師たちへのインタビュー調査や学校観察を通じて、阻害要因や改善方法を明らかにする研究が進められています。
すべての人の問題として
ジェンダーの問題は女性だけのものでなく、男性も「泣いてはいけない」「弱音を吐いてはいけない」という決めつけに苦しめられています。また、男女二種類という枠組み自体が、多様な性を生きる人々の存在を見えなくしてきました。
教育は、人をつくり、社会をつくる営みです。そこにバイアスがあれば、それは次の世代にも引き継がれてしまいます。だからこそ、教育の中のジェンダー問題を明らかにし、改善していく研究が重要なのです。「当たり前」を疑い、より多くの人が自分らしく生きられる社会をめざす教育の課題に向き合うことが、教育社会学の役割です。
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先生情報 / 大学情報

北海道教育大学 教育学部 国際地域学科(函館校) 教授 木村 育恵 先生
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