講義No.15682 医療技術

高度ながん治療普及のため、放射線治療スペシャリストを増やせ!

高度ながん治療普及のため、放射線治療スペシャリストを増やせ!

放射線治療専門放射線技師とは?

現在のがん治療の主な方法は、手術、化学療法、放射線治療の3つです。放射線治療は、切除を伴わないため身体的負担が比較的少なく、通院可能な治療法です。胸部X線撮影やCT検査、放射線治療など、人に放射線を照射する医療行為は、医師または診療放射線技師に限られています。がん治療における放射線治療では、診断目的のX線検査と比べて高い線量をがん細胞に照射します。そのため、健康な臓器をできる限り避け、正確に放射線をがんに照射する知識と技術が求められます。こうした現場では、「放射線治療専門放射線技師(以下、RTT)」の認定資格を持つ診療放射線技師が重要な役割を担っています。

人材不足が続く現状

日本では、多くの放射線治療実施施設に高度な放射線治療機器が導入されています。しかし、放射線治療に関する専門的な知識や技術を有する医師や診療放射線技師が十分に配置されていない施設もあり、導入された機器の性能を十分に活用できていないケースも見られます。特に、強度変調放射線治療(IMRT)などの高度な放射線治療は、アジア諸国と比較して日本では実施率が低いと指摘されています。調査では、専門資格取得者数は増加している一方で、専門人材が在籍する放射線治療実施施設の数は増えておらず、人材配置の偏在が続いていることが明らかとなりました。

放射線技師のスキルアップのために

日本では慢性的な医師不足が課題であり、医療現場ではその負担を軽減するための制度整備が進められています。法改正により、一定の条件下で診療放射線技師が造影検査に必要な注射を行うことが可能となるなど、業務の幅も広がっています。
こうした業務拡大と並行して、放射線治療分野における診療放射線技師の専門性向上も重要視されています。RTTの認定資格では、最新のがん治療や放射線治療機器に関する講習の受講が資格更新の条件とされています。診療放射線技師の高度な知識と技術は、高度な放射線治療の安全な実施と普及を支える重要な役割を果たしています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

京都医療科学大学 医療科学部 放射線技術学科 講師 霜村 康平 先生

京都医療科学大学 医療科学部 放射線技術学科 講師 霜村 康平 先生

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放射線治療、放射線計測

メッセージ

よく学び、よく遊び、楽しく充実した高校時代を過ごしてください。そして、さまざまな体験を通して「自分で考え、行動すること」を意識し、その力を少しずつ身につけてほしいと思います。どんな仕事に就いても、この力は必ず必要になります。社会に出ると指示を受けて動く場面が多くありますが、その中でも「どのような結果を出すべきか」を考え、自分なりに行動することが大切です。特に診療放射線技師は、患者さんの命に関わる重要な仕事です。知識や技術だけでなく、責任感や心構えも大切にしながら成長していってください。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

京都医療科学大学に関心を持ったあなたは

診療放射線技師養成機関として日本最古の歴史を持つ本学は、「医療用X線装置」のパイオニアである株式会社島津製作所が、医学界の要望に応えてわが国初のレントゲン技術講習所を開設したのに始まります。開学以来、全国で活躍する診療放射線技師たちによる卒業生ネットワークを生かした支援により、毎年高い就職率を誇ります。高度な技術と知識に加え、チーム医療の現場で求められる豊かな人間性を養い、バランスのとれた診療放射線技師を育成します。