周期的ではないのに規則的? 第3の固体「準結晶」とは

固体の第3形態
「固体」には、原子が周期的に規則正しく並んだ「結晶」と、ガラスのように原子が不規則に固まった「アモルファス(非晶質)」の2つしかないと長い間考えられてきました。ところが1980年代、周期性がないにも関わらず規則正しく原子が並んだ「準結晶」と呼ばれる固体の第3形態が見つかりました。周期的でない規則性のある並び方の例には、フィボナッチ数列があります。フィボナッチ数列とは、前の2つの項を足して次の項を作っていく数列です。また、2種類のひし形だけで平面を非周期的に埋め尽くすペンローズ・タイルは、準結晶の構造の代表的なモデルです。現在見つかっている準結晶は100種類前後で、多くが人工的に作られた合金ですが、「天然物」も見つかっています。
電子が描く模様
固体中には沢山の電子が存在しています。結晶中の電子は均一に広がる一方、アモルファス中の電子は広がらず狭い領域に局在しがちです。準結晶での電子の振る舞いはその中間で、原子配列の規則性に従って、複雑だけれども綺麗な模様を描いて分布します。物質の性質の多くを決めるのは電子の分布であるため、準結晶中の電子が描く模様は全く新しい物質の性質を生み出すかもしれません。例えば超伝導の理論は原子の周期的な並びに基づいて構築されていますが、周期性のない準結晶でも超伝導が起こることがコンピューターシミュレーションで示されました。2018年には実際に準結晶の超伝導体が発見され、どのような新しい性質を持つのか興味が持たれています。
固体の第4形態はあるか?
準結晶が持つ規則性もいくつかの条件を満たしています。すると、これらの条件に当てはまらないような、全く新しい規則性を持った固体は存在するのか、という問いが浮かびます。それは「第4形態」の固体といえるでしょう。現実の物質で実現しそうな規則性として何がありうるか、またそのような物質があったとしてどのようにしたら発見できるか、そしてどんな性質を示すか、など研究が続いています。
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