講義No.15987 看護学

AI、VRで多様な価値観と患者への理解を深める看護教育を

AI、VRで多様な価値観と患者への理解を深める看護教育を

子どもだけじゃない、家族もケアできる看護師 

小児看護では、子どもだけでなく家族への看護も重要です。子どもの成長や回復には家族の存在が大きく影響します。我が子の病気により、保護者は不安や苦悩を抱え、家族もケアが必要な当事者となります。看護師は子どもとともに家族にも寄り添い、親やきょうだいを含む家族全体を一つのユニットとして支え、揺らいだ家族の役割や支え合う力を取り戻す支援を行います。

AIで多様な価値観に対応

例えば、終末期の患者家族には心理的なサポートを行い、患者家族の意思を尊重した看取りの意思決定を支援します。また、退院して病気を持つ患者と共に生活する家族には、服薬管理の方法などを患者家族の価値観やライフスタイルに配慮して、家族全員が互いに支え合えるようサポートします。こうした支援の結果、家族は徐々に「できないこと」から「できること」に目を向け、自律して生活し始めるようになります。
家族の価値観や考え方は、多様です。看護師自身の常識や家族観ではなく、相手の思いを尊重する姿勢が大切ですが、思いを理解するのは難しいものです。そのため、AIを使った教育が実施されつつあります。例えば、特定の背景や価値観を持つAI患者を作成し、看護学生は対話の疑似トレーニングができます。これは、グローバル化した日本医療の現状にも対応できます。外国の言語や文化、宗教、価値観を設定したAI患者とやりとりして、訪日外国人や定住外国人との接し方を学べるのです。

VRでも“ひと”の理解を深める

同じ環境にいても、人によって見え方や聞こえ方、感じ方は異なります。それを没入体験できるのがVRです。例えば、視覚障害のある母親が乳児に授乳する際、どんな体験をしていて、何に困るのか/困らないのか、高齢者の難聴はどう聞こえているのか、などをリアルに体験できます。
看護教育のDXを推進すると、多様な感覚や事例を疑似体験でき、対象者への理解が進みます。これは、患者もその家族も、誰もがより幸せに生きていける社会の礎になるでしょう。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

大手前大学 国際看護学部 看護学科 准教授 髙谷 知史 先生

大手前大学 国際看護学部 看護学科 准教授 髙谷 知史 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

小児看護学、家族看護学

先生が目指すSDGs

メッセージ

看護師の活躍の場は病院だけではありません。整形外科に強い看護師は、サッカーや野球、格闘技といった場でスポーツナースとして専属しています。ほかにも、クルーズ船、イベント、旅行、学校、企業で活動する看護師もいます。近年は、健診弱者(健診を受けていない人)を対象に、1項目500円、予約不要の健診を行うなど、ベンチャー企業を立ち上げる看護師もいます。今は、看護師も自由に活動する時代です。大学にはさまざまな事例や分野に触れる機会がたくさんあります。どんな道や可能性があるのか見つけに来てください。

先生への質問

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ゆさぶる、ささる、胸を打つ。「胸を打つ教育」の方法として、1)学部の壁を越えて授業を選択できる「学びのクロスオーバー」、2)キャンパス(教室)をとび出してフィールド(街)を探る活動を行う「クロスバウンダリー」、3)教職員が学生一人ひとりと対話し内省(リフレクション)を促す「1on1リフレクション」、4)ダイナミックな環境での多様な学びと交流「ダイバーシティ&インクルージョン」の4つを展開します。本学の「胸を打つ教育」で、自身の内なる資質を開花させ、学び続ける力を修得します。