AI、VRで多様な価値観と患者への理解を深める看護教育を

子どもだけじゃない、家族もケアできる看護師
小児看護では、子どもだけでなく家族への看護も重要です。子どもの成長や回復には家族の存在が大きく影響します。我が子の病気により、保護者は不安や苦悩を抱え、家族もケアが必要な当事者となります。看護師は子どもとともに家族にも寄り添い、親やきょうだいを含む家族全体を一つのユニットとして支え、揺らいだ家族の役割や支え合う力を取り戻す支援を行います。
AIで多様な価値観に対応
例えば、終末期の患者家族には心理的なサポートを行い、患者家族の意思を尊重した看取りの意思決定を支援します。また、退院して病気を持つ患者と共に生活する家族には、服薬管理の方法などを患者家族の価値観やライフスタイルに配慮して、家族全員が互いに支え合えるようサポートします。こうした支援の結果、家族は徐々に「できないこと」から「できること」に目を向け、自律して生活し始めるようになります。
家族の価値観や考え方は、多様です。看護師自身の常識や家族観ではなく、相手の思いを尊重する姿勢が大切ですが、思いを理解するのは難しいものです。そのため、AIを使った教育が実施されつつあります。例えば、特定の背景や価値観を持つAI患者を作成し、看護学生は対話の疑似トレーニングができます。これは、グローバル化した日本医療の現状にも対応できます。外国の言語や文化、宗教、価値観を設定したAI患者とやりとりして、訪日外国人や定住外国人との接し方を学べるのです。
VRでも“ひと”の理解を深める
同じ環境にいても、人によって見え方や聞こえ方、感じ方は異なります。それを没入体験できるのがVRです。例えば、視覚障害のある母親が乳児に授乳する際、どんな体験をしていて、何に困るのか/困らないのか、高齢者の難聴はどう聞こえているのか、などをリアルに体験できます。
看護教育のDXを推進すると、多様な感覚や事例を疑似体験でき、対象者への理解が進みます。これは、患者もその家族も、誰もがより幸せに生きていける社会の礎になるでしょう。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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大手前大学 国際看護学部 看護学科 准教授 髙谷 知史 先生
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