キャリア形成のカギは、人間関係にあり

人を育てる職場の人間関係
将来のキャリアを考えるとき、自身の努力はもちろんですが、周囲の人間関係も重要です。日本の企業では、新卒で入社した若手社員を育てる際、OJT(On the Job Training:仕事を通じた訓練)が重要な役割を担っています。ただし、その多くは制度として整えられた教育だけでなく、職場で生まれる人間関係に支えられている面もあります。実際に、新入社員の育成は直属の上司に限らず、先輩や同僚など職場のさまざまな人との関わりの中で進められています。こうした人間関係の広がりは「デベロップメンタル・ネットワーク(Developmental Network)」と呼ばれ、若手社員のキャリア形成に大きく寄与すると考えられています。
「職務特性」に注目すると
職場の人間関係が若手社員のキャリア形成に与える影響について、「職務特性」に着目した研究があります。職務特性とは仕事の内容や進め方など、仕事そのものが持つ特徴を指します。中でも注目されるのが、「チームワーク」です。チームワークが求められる職場では、さまざまな業務を経験し、メンバー同士が協力して進めるため、多くの人との関わりが生じます。その結果、先輩や上司からアドバイスを受けたり相談したりする機会も増えていきます。
人材育成を戦略的に進めるには
製造企業で行われた調査でも、チームで協力して仕事を進める職場や、幅広い業務を経験する職場では、支援してくれる人の数や関係の広がりが大きくなることが明らかになりました。さらに、社員個人の性格より、職務特性の方が人間関係のあり方に強い影響を与える可能性も示されました。つまり、「どんな人か」よりも「どんな仕事をするか」の方が成長の機会を左右する場合があるということです。これにより、人材育成を偶然の人間関係に任せるのではなく、仕事内容やチームの組み方によって戦略的に進めることが期待されます。働く人が成長できる職場とはどのような環境か、そのヒントを明らかにする研究が続いています。
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