会計という道具を使えば、社会の「なぜ?」が見えてくる

会計という道具を使えば、社会の「なぜ?」が見えてくる

コーヒー1杯の値段の違い

コンビニのコーヒーは150円、カフェでは500円前後です。同じコーヒーなのに、なぜこれほど値段が違うのでしょうか。会計の視点で考えると、価格差の理由がはっきり見えてきます。喫茶店には広い空間や接客などのコストがかかり、その分の価値が価格に反映されています。一方、コンビニは効率的な仕組みによってコストを抑えています。飛行機の運賃が同じ便でも大きく異なる理由についても、需要やコストの考え方から説明できます。会計を道具として使えるようになると、見えない企業の工夫や戦略が浮かび上がります。

人生の意思決定を助ける道具

会計のスキルがあれば、個人で副業や起業を考えるときにも、収支の見通しを立てることができ、成功の確率を高められます。それ以外にも、「将来、持ち家にするか賃貸にするか」といった選択をより合理的に判断できます。会計的な視点で見ると、ローンを組んで早く家を持つことは「対価として利息を払って時間を買う」ということです。対価と時間をはかりにかけ、釣り合うか否かを判断すればよいわけです。こうした会計スキルには、難しい数学の知識は不要で、電卓が使える程度の計算力があれば、身につけることができます。

不正を見抜く目も、会計が育てる

近年、企業の経理不正が社会問題になっています。不正には、個人が会社のお金を着服するケースと、企業が業績をよく見せるために決算書の数字を操作する「不適切会計」の2種類があります。後者は、投資家や株主からの過大なプレッシャーを引き金として、組織内で異論を唱えられない企業文化の中で起こりがちです。一度手を染めると元の正しい状態に戻すことが難しくなり、隠蔽がどんどんエスカレートしてしまいます。こうした不正を防ぐためにも、会計の仕組みを正しく理解し、数字を読む力を社会全体で高めることが求められています。会計は、人生の見通しをよくする道具であると同時に、社会の透明性を守るための大切な仕組みでもあるのです。

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大手前大学 経営学部  教授 久保田 浩文 先生

大手前大学 経営学部 教授 久保田 浩文 先生

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財務会計、管理会計、ファインス

メッセージ

会計を学ぶなら、資格取得までめざしましょう。資格の最大のメリットは、履歴書に一行書くだけで能力が証明できることです。同じ知識を持っていても、資格がなければ世の中でその力を評価してもらえる機会はほとんどありません。しかもプログラミング言語などと違い、複式簿記の原理は500年以上変わっていない、一生ものの知識です。会計スキルを道具として身につけると、個人の生活でも仕事でも、ぼんやりとしていたことがクリアに見えてきます。ぜひそんな体験をしてみてください。

大手前大学に関心を持ったあなたは

ゆさぶる、ささる、胸を打つ。「胸を打つ教育」の方法として、1)学部の壁を越えて授業を選択できる「学びのクロスオーバー」、2)キャンパス(教室)をとび出してフィールド(街)を探る活動を行う「クロスバウンダリー」、3)教職員が学生一人ひとりと対話し内省(リフレクション)を促す「1on1リフレクション」、4)ダイナミックな環境での多様な学びと交流「ダイバーシティ&インクルージョン」の4つを展開します。本学の「胸を打つ教育」で、自身の内なる資質を開花させ、学び続ける力を修得します。