ホテルの客室料金と稼働率の関係は? 最適な経営を考える会計学

宿泊業特有の課題
ホテルの宿泊料金は、時期によって大きく変わることがあります。その背景には宿泊業特有の仕組みがあります。客室は一晩空いたまま終われば、その日得られなかった売上を後から取り戻すことができません。一方で、建物や設備、人件費などの固定費は毎日発生します。そのため、限られた客室をどのように売っていくかは重要な経営課題です。さらに宿泊の需要は、季節や曜日で大きく変化します。こうした特徴を踏まえた収益改善には、会計学の知見が役立ちます。
価格変更は戦略的に
宿泊業の経営において重要なのが、「レベニュー・マネジメント」という考え方です。これは需要に合わせて価格や販売方法を調整し、売上を最適化する経営手法です。元は航空会社で発展した仕組みですが、客室数が限られ、在庫を持てない宿泊業でも活用されています。例えば観光シーズンや週末は料金を高く設定し、平日は安くするなど、需要に応じて価格を変えることで売上の向上を図ります。近隣で大きなイベントやコンサートがある場合には需要が増えるため、その予測を踏まえて価格が調整されることもあります。宿泊料金の変化は、その場しのぎではなく、データや需要予測に基づいて価格設定や販売戦略を考え、収益が最大となるように決めているのです。
データに基づく分析
宿泊業の経営では、「RevPAR(レブパー)」という指標も用いられます。これは販売可能な客室1室あたりの売上高を示す指標で、客室単価と稼働率を掛け合わせて算出されます。客室の価格を上げれば、その分宿泊客が減る可能性があります。逆に価格を下げれば客室は埋まりやすくなりますが、全体の売上が伸びない場合もあります。そのためRevPARのような指標を用いて、価格と稼働率のバランスを見ながら方針を検討します。
日本の宿泊業には小規模事業者が多く、データの活用が進んでいない面もあります。会計データに基づく経営管理の普及が、日本の観光産業を支える宿泊業の発展につながると期待されています。
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