生成AIは魔法のツールではない

生成AIは、社会を変える大きな波
テクノロジーの世界では、およそ20年ごとに社会を大きく変えるイノベーションが起きてきました。1980年前後のパーソナルコンピュータ、2000年前後のインターネット、そしてその後に普及したスマートフォンがその代表です。そこに2022年、ChatGPTをはじめとする生成AIが登場しました。生成AIは、これからの20年を形づくる基盤技術になるでしょう。あなたの生活、学び方、そして将来の仕事にも決定的な影響を与えるはずです。だからこそ、技術者でなくても、AIの仕組みや使い方を知っておくことが大切です。若い世代にとって生成AIは、上の世代を追い越すための「下剋上のツール」にもなり得ます。
生成AIは、確率で文章を生み出す
生成AIは、膨大な量の文章を学習し、「次にどんな言葉が来る可能性が高いか」を計算して、新しい文章を作ります。たとえば「日本の首都は」と入力されれば、その続きとして確率の高い「東京です」を生成する、という仕組みです。この計算の背景には、数千もの要素を持つベクトルや行列の処理があります。人間の思考とは少し違う原理のようにも見えますが、研究者の中には「本質的には人間の知能と連続している」と考える人もいます。従来のAIは、辞書や文法のルールをもとに文章を作ろうとしていましたが、生成AIはそれらに頼らず、確率的に言葉をつなぐ方法によって、自然な会話、質問応答、要約、推論までできるようになりました。
プロンプトを研究する
生成AIは、いわば「確率で文章を作る道具」です。道具である以上、その仕組みを知り、上手に使うことが大切です。研究の一つに、生成AIの力を最大限に引き出すための指示文、プロンプトの研究があります。人が持つわずかな知識や発想を、AIを通して何倍にも広げていくための最適な指示の出し方が探究されています。企業や学校と連携しながら、さまざまな人のAI活用事例を集め、より効果的なプロンプトのあり方を解明することが期待されています。
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