AIの「目」で未来の病気リスクを予測する!

自覚症状がない超早期からAIでチェック
X線やCTなどの医療画像から病気を見つけ出すAI画像診断技術は、すでに実用化されており、医療現場で医師をサポートしています。この画像診断の範囲をさらに広げて、まだ症状のない段階で病気を予測する研究が行われています。例えば、検診で撮影された胸部X線画像から、たばこなどが原因の肺の慢性疾患(COPD)や骨粗しょう症のリスクが予測できれば、生活習慣の改善などにより病気を予防できる可能性が上がります。また何らかの病気の予兆が見つかれば、精密検査も提案できます。AIの「目」で、将来の病気のリスクがわかるようになるのです。
人の目は優れていますが、緩やかな変化はとらえにくいなど、見え方には「くせ」があります。AIはそれを補ってくれ、主観に左右されないことも大きなメリットです。
画像から最適な治療方法を予測
治療方針のサポートにもAIは役立つと期待されます。悪性脳腫瘍のグリオーマの治療は、開頭手術をして病理検査をしなければ方針を確定できません。開頭せずにMRIの画像からAIで方針を予測できれば、患者の負担を減らすことができます。
画像だけでなく、AIによる音声データのモニタリングも研究が進められています。出産時に胎児の心拍音をAIがモニタリングすることで、異常を予測・検知できるようになります。産婦人科医の減少は深刻な問題ですが、AIのモニタリングシステムを在宅時に活用すれば適切なタイミングで来院できるので、人的リソースの有効利用にも資すると考えられます。
生成AIで「説明可能なAI」へ
ChatGPTのような生成AIも医療分野で活用が広がりつつあります。これまでのAIは、画像を解析して病変を医師が見落とさないようにサポートしてくれますが、なぜそこを病変だと判断したのか説明できませんでした。しかし今後は、生成AIが画像を解析し、その理由を文章で説明してくれる、より強力な支援ツールとなるでしょう。
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藤田医科大学 医療科学部 研究推進ユニット・知能情報工学分野 教授 笠井 聡 先生
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