講義No.16145 教育 児童学

「ありがとう」が生まれるクラスをつくる学級経営研究

「ありがとう」が生まれるクラスをつくる学級経営研究

人と良い関係をつくるために

学校の「クラス」は、勉強だけをする場ではありません。友だちとの関わりの中で心も成長する場です。その中で大切になるのが「配慮」と「思いやり」です。相手の気持ちを想像して行動することが、安心して過ごせるクラスの土台になります。友だちの話を最後まで聞く、遊びに誘う、みんなと円滑に話す、といった行動を「ソーシャルスキル」と呼びます。
ソーシャルスキルは特別な才能ではなく、経験で身につくものです。例えば国語の授業で隣の席の子と一文ずつ交互に読むだけでも、自然と相手に合わせてやり取りする経験になります。こうした積み重ねが、思いやりのある行動につながるのです。

ソーシャルスキルを使う動機は

ソーシャルスキルがせっかく育っても、小学校高学年になると、周囲の目を気にして、あえてそれを使わない子どもが増えてきます。研究から見えてきたのは、「人に関わりたい」という気分よりも、「大切なことだからやってみよう」と思えるかどうかが行動を左右するという点です。「大丈夫?」と声をかけて「ありがとう」と返ってくると、うれしくなってまたやってみようと思えます。こうした経験を重ねることで、行動の価値が実感として身についていきます。学級経営とは、配慮や思いやりが自然に広がる環境を育てることなのです。

人間関係を可視化していじめを防ぐ

ソーシャルスキルが高いと答える子でも、少人数グループの中だけで発揮しているケースがあります。特定の仲間に限られた関係では役割が固定化し、思いやりが広がりにくいものです。多様な人と関わる中でこそ相手を理解する力が育ちます。
ただし、子どもたちの関係性は見た目だけでは分かりません。そこで「社会ネットワーク分析」の手法を使って、人間関係の広がりや偏りを可視化する研究が進んでいます。孤立している子を早期に発見し、いじめ予防につなげることが目的です。
人と人の関わりは、見えにくいからこそ意識的に育てる必要があるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

山口学芸大学 教育学部 教育学科 准教授 森 俊博 先生

山口学芸大学 教育学部 教育学科 准教授 森 俊博 先生

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教育心理学、学級経営

先生が目指すSDGs

メッセージ

子どもと関わる仕事には、特別な瞬間があります。昨日できなかったことが今日できるようになった子どもの姿を見たとき、「教師をしていてよかった」と感じます。子どもの成長に関われることが、この仕事の大きな魅力です。そして、教師の仕事で大切なのが、人との関わりです。苦手だと思っていた人と少しでも話せるようになったら、それは大きな成長です。最初はうまく話せなくても大丈夫です。少しずつ関わろうとする気持ちを大切にしてください。意識が変われば、人との関わり方も必ず変わっていきます。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

山口学芸大学に関心を持ったあなたは

山口学芸大学は、教育者・保育者の養成に特化した小規模単科大学です。幼稚園・小学校・中学校(英語)・高校(英語)・特別支援学校の各種教員免許だけでなく、保育士資格の取得も可能で、このうち最大で4つまで免許・資格を取得することができます。
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