大腸がん検査の負担を軽減 画像を見やすくするAI技術

大腸がん検査の負担を軽減 画像を見やすくするAI技術

大腸がんの検査は嫌われがち?

日本人の死因の第1位はがんですが、大腸がんは死亡数が多いがんの一つです。現代では、多くのがんで早期発見・早期治療が重要とされています。定期的な健康診断などで「要検査」の結果が出た場合、早めの受診が望まれます。
しかし、現実にはそこがあまりうまくいっていません。大腸がん検診で「要精密検査」となった場合、内視鏡検査が行われることが多いですが、内視鏡検査は受診者にとって身体的・心理的負担が大きい検査でもあります。検査への不安や恥ずかしさから検査をためらう人も少なくなく、医療関係者は頭を悩ませています。

画像上で腸内をきれいにする

大腸の検査には、内視鏡以外にCTを使う方法もあります。CTによって大腸内の画像を撮り、ポリープなどの異常を発見するのです。ただ、腸内に便などの残渣(ざんさ)があると、それに隠れて病変部位が見えにくくなることがあります。
そこで登場したのが、バーチャルクレンジングという、残渣を画像上で推定し、診断に必要な情報を残しながら補正する技術です。これにより腸内の様子を見やすくし、検査や読影の負担を軽減できる可能性があります。検査を受けやすくすることは、大腸がんの早期発見にもつながると期待されています。

診断しやすい画像をつくる技術へ

一方、この技術にも課題があります。例えば、腸内の空気と残渣の境界部分がきれいに処理できない場合や、内視鏡と比べてごく小さな病変を見つけにくい場合などです。これらの課題を解決するため、画像変換AIや機械学習なども活用した研究が進められています。一定の成果が得られつつあり、実用化に向けた取り組みも始まっています。
負担の少ない大腸がん検査をめざすこの研究で、より精度の高いバーチャルクレンジングが実現すれば、大腸CTだけでなく、医用画像の視認性向上や、診断支援技術としてほかの領域への応用も期待されます。画像を見やすくし、診断を支える技術は、将来的に多くの医療現場で役立つ可能性があります。

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室蘭工業大学 理工学部 システム理化学科 准教授 橘 理恵 先生

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メッセージ

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北海道の工業都市で「ものづくりのマチ」である室蘭市に所在する室蘭工業大学は「地域貢献」を大きなキーワードとして掲げ、産業界で活躍しつづける幅広い理工系人材を育てるべく教育改革を行い、工学部から理工学部へと大きく進化しました。ものごとの本質をつかみ、探究心を養うべく理工学教育を全学的に充実させ、更にICTやAIの本質を理解して使いこなし、もの・価値づくりに貢献できる学生を育てる工業大学ならではの情報教育を推進しています。確かな研究力をベースとした教育力をキーワードとしている本学講義を体感ください!