ミクロの粒子の大きな力! 微粒子工学で未来を拓く

身のまわりの良い微粒子・悪い微粒子
「微粒子」とは一般的に1ミクロン以下の大きさの粒のことです。私たちの身のまわりには多様な微粒子が存在しています。環境中にあるPM2.5や病原性ウイルスは人にとって「悪い微粒子」だと言えます。ウイルスがパンデミックを引き起こすなど、小さな微粒子が大きなインパクトを与えることは少なくありません。
一方で、微粒子は工業分野をはじめ現代社会に欠かせないものです。さまざまな分野で「良い微粒子」が利用されています。製品の原材料、ものづくりに使われる触媒、薬や食品、化粧品に入っている日焼け止めにも微粒子が使われています。こうした微粒子を「つくる」「測る」「制御する」「使う」のが微粒子工学です。
産業、医療で大活躍
大きさが10ナノメートル以下の微粒子になると、量子の世界特有の性質が現れる「量子サイズ効果」が生じ、同じ物質でも通常の大きさのものとは違う物性を示すようになります。例えば、シリコンのナノ粒子は、通常サイズのシリコンよりも吸収できる太陽光の波長の幅が広がるので、高効率の太陽光発電への応用が期待されます。シリコンや炭素のような豊富な元素も、ナノ粒子にすることでレアメタルに匹敵する特性を持たせることが可能なのです。
微粒子は薬の効果を高めるドラッグデリバリーシステムなど、医療分野にも利用されています。半導体の製造工程では、故障の原因となる空気中のナノメートルサイズの微粒子を除去するエアフィルタの技術がクリーンルームに使われています。
害をなす微粒子を捕集する
環境中のマイクロプラスチックは「悪い微粒子」で、健康への悪影響が懸念されています。マイクロプラスチックの検出にはレーザーを使いますが、得られる信号が微弱で、検出は容易ではありません。そこで銀の微粒子の性質を利用し、信号を増強する技術の開発が進められています。健康を害する恐れのある微粒子を捕集・除去して快適な空間をつくり出すことも微粒子工学の目的の一つです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
