光ファイバーで化学物質を測定! 広がるセンサとしての可能性

光ファイバーで化学物質を測定! 広がるセンサとしての可能性

光ファイバーを使った新しい計測技術

インターネット通信を支える光ファイバーは、まだ50年ほどの歴史しかありませんが、何百キロも光を伝えられる、大変優れた技術です。そして実は通信だけでなく、温度や振動を測る物理センサ、ガスや液体の変化をとらえる化学センサとしても活躍する可能性を秘めています。物理センサはすでに実用化されつつありますが、化学センサはまだ研究段階にあります。髪の毛ほどの細さのファイバーに対し、光を外に取り出す特殊加工が必要で、熟練した技術が求められます。国内では研究できる場所も研究者も少ない、まさに挑戦の余地が大きい分野です。

光の通り方でリアルタイム測定

光ファイバー化学センサは、光を使って、ガスや液体の中にある特定の化学物質を検出します。光ファイバーに特定の物質に反応する材料を組み合わせ、光の通り方の変化から、その物質をリアルタイムで測定するのです。
例えば水素ガスの検出では、パラジウムという金属が多く使われます。パラジウムは水素を吸収すると性質が変わり、光の通り方も変化します。水素は燃えやすいため、電気式のセンサでは発火の危険性がありますが、光ファイバーなら安全です。また、遠く離れた場所でも正確に測定できることも大きなメリットです。

医療、温暖化防止にも活用

光ファイバー化学センサは応用範囲が広く、PCR検査に代わる新しい検査技術など、医療分野への展開も期待されています。光センサに特定の物質を組み込む加工は職人技を要し、実験は試行錯誤の連続であり、社会実装はこれからです。例えば、地中・海中・大気中など、さまざまな環境下で二酸化炭素の動きを追うこともできます。技術が確立すれば、地球温暖化のプロセスを解明でき、カーボンニュートラルの実現につなげられるのではないかと期待されています。光ファイバーセンサの研究は未来を明るく照らし、可能性に満ちているのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

秋田大学 総合環境理工学部 環境数物科学科 機能デバイス物理コース 講師 細木 藍 先生

秋田大学 総合環境理工学部 環境数物科学科 機能デバイス物理コース 講師 細木 藍 先生

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計測工学

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校で学んでいる物理・化学・数学などの知識は、光ファイバー化学センサに直結します。この研究では、複数の学問がつながり合う瞬間を体験できます。高校生の今は、幅広いことに関心を持つことがとても大切です。基礎学力はもちろん重要ですが、興味を広げることで「なぜ学ぶのか」という目的意識も育ちます。具体的な研究内容がまだわからなくても構いません。学問同士がつながる世界があることを知り、将来への投資だと思って、今の学びを大切にしてください。

秋田大学に関心を持ったあなたは

地球を舞台に活躍する資源スペシャリストを養成する「国際資源学部」、教育分野や地域社会における現場実践力を養う「教育文化学部」、地域医療の核となり人々の健康と福祉に貢献する「医学部」、環境科学の確かな専門性と技術力を育む「総合環境理工学部」、AI等最新のデジタル技術を扱う「情報データ科学部」の五学部が連携し、地域に根ざし世界に発信する教育・研究拠点をめざしています。
四季の彩り豊かなキャンパスでは、日本全国そして世界各国から集った学生がそれぞれの目標に向かい、勉学や課外活動に打ち込んでいます。