フランスから学ぶ、法律や憲法とのフランクな付き合い方

フランスから学ぶ、法律や憲法とのフランクな付き合い方

いち早く規制したフランス

生成AIの進化により、本物と見分けがつかない写真や動画を簡単に作れるようになった今、フェイクニュースの数が増加しています。日本でも法整備が求められていますが、憲法が保障する「表現の自由」を過度に制約するリスクや、フェイクニュースの定義の難しさがあり、仮にフェイクニュースを規制の対象にするとしても、その前に議論しなければならないことが山積みです。
そんな中、フランスでは2018年というかなり早い段階でフェイクニュースに対応する法律が作られました。この法律では、フェイクニュースに限定的な定義を与えた上で規制することで、表現の自由の保障とフェイクニュースの規制との両立が試みられました。

SNSを使わないという選択

SNSは個人にとって非常にハードルの低い自己表現の場ですが、広告はプロファイリングにより個人に最適化されたものが表示され、タイムラインには自分の好みと似通った性質の投稿ばかり流れる偏った情報空間でもあります。こうした偏りの中にいると合理的な判断が難しくなる、という見方をしている研究者もいます。
一方で人には、SNSを使わない時間を持つという選択肢があります。例えばフランスでは、「デモ活動」が休日の楽しいイベントという位置付けにあり、家族や友人とパレードを楽しむ感覚で参加する人もいます。日本でもスマホをカバンにしまい、デモ活動などに参加して、生身の人同士でもう少しフランクに政治や社会について語り合う機会が増えれば、法律や憲法との付き合い方も変わるかもしれません。

比較して本質を見極める

日本では法律は自分たちの自由を狭める存在と思われがちですが、フランスでは自由を保護する側面もあるものだと考えられています。これは単純な善し悪しの問題というよりは、国民一人一人の価値観の違いです。フランスなどの他国と比較することで、今後もまだ見ぬ日本の法律や憲法の一面が見えてくるでしょう。その先で、憲法と法律のもとで実現できる自由な表現活動の価値を見つけられるはずです。

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先生情報 / 大学情報

成城大学 法学部 法律学科 准教授 田中 美里 先生

成城大学 法学部 法律学科 准教授 田中 美里 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

憲法学(フランス憲法、日本国憲法)

先生が目指すSDGs

メッセージ

大学では、学部ごとの専門的な授業が始まります。ですから、高校生のうちは視野を広く持って、社会的・政治的問題にできるだけ多く触れ、世の中にいろいろな問題があることを知ってください。その際に大事にしてほしいのは、自分が違和感を覚える瞬間です。日本には「空気を読む」ことが得意な人も多く、みんなと同じようにしなければいけないと思いがちですが、いろいろなことを学ぶ中で生じた違和感こそ「自分らしさ」の種です。その種をどのように花開かせることができるかを考えることが大学における学問への関心の入口になります。

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成城大学は小田急線「成城学園前」から徒歩4分、世田谷の住宅街にあります。キャンパスは自然が豊かで、全学部の学生が4年間学びます。学生数約5700名に対し、教員数は約570名。少人数の授業が多く、学生一人ひとりの個性を伸ばすことを重視しており、アットホームな雰囲気です。本学が学園創立以来大切にしてきた「個性尊重」の理念は100年以上受け継がれ、その中核である全学生必修のゼミナールでは、教員や学生同士が積極的に対話することで、学生一人ひとりが多様化する世界で活躍できる知性と感性を磨きます。