心霊スポットはなぜ怖い? 身近なものから歴史を考える

心霊スポットはなぜ怖い? 身近なものから歴史を考える

心霊スポットを学問で扱えるの?

友達と心霊スポットの話で盛り上がったことはないでしょうか。幽霊を信じない、または半信半疑だという人も多いと思いますが、それでも怖いと感じる人も少なくないでしょう。ところで、「そこ」はどういう仕組みで「怖い場所である」のでしょうか。民俗学の視点からは、日常会話にのぼる些末なトピックも、あなたが何かに感じる「怖さ」も、歴史を考える手がかりになります。

心霊スポットはどのように成り立っているか

心霊スポットには、「昔この場所で悲しい出来事があった」など、そこが「なぜ」特別な場所であるかを説明する語りが伴います。このような語りを民俗学では「伝説」と呼んでいます。また、心霊スポットについては、訪れた人の体験談がインターネットなどによって広まっています。こちらは場所の魅力、そこが「どのように」怖いかに関する情報です。つまり、心霊スポットとは、過去についての情報と、現在の情報とが折り重なって、怖い場所だと人々に「共有」されている場所であるといえます。したがって、心霊スポットは情報を流通させる仕組みとも関わっています。情報環境の歴史の産物として考えることもできるわけです。
あなたが何かを「怖い」と感じたというその出来事も、個人的なものである一方で、実は何かが時代とともに変わっていく、歴史の一コマとして考えられるかもしれません。

「当たり前」の歴史をひも解く

普段は「当たり前」で些末だと思われているようなことでも、疑問を持ち、歴史をたどってみると、意外な事実が見えてきます。例えば家の中でゴキブリを見て不快に思う気持ちも、実は住宅の気密性が高まってきた歴史と関係しています。自分の感じ方や考え方が、社会や時代の影響を受けていることに気づくと、縛られていた常識や固定観念から少し自由になり、「当たり前」だと思っていた物事を、新たな角度から見直せるようになります。日常の疑問を歴史からひも解くことは、社会を理解するだけでなく、自分の生き方をより豊かにする手がかりにもなるのです。

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先生情報 / 大学情報

成城大学 文芸学部 文化史学科 准教授 及川 祥平 先生

成城大学 文芸学部 文化史学科 准教授 及川 祥平 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

民俗学

メッセージ

自分が興味を持っていることや、日常の中で「なぜだろう」と感じたことを大切にしてください。民俗学は、遠い昔のことや特別な行事だけではなく、心霊スポットのような身近なものからでも、社会や時代を読み解ける学問です。同じ民俗学でも、研究者によって研究しているテーマや考え方は大きく異なります。大学を選ぶときは、あなたが興味のある学部名だけで判断するのではなく、どんな教員がいて、何を研究しているのかも調べてみてください。あなたの「好き」や「嫌い」が、学問の入口になるはずです。

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