「探究する力」をどう育むか 幼児期の教育を考える

AI時代を生き抜く力
世界中で注目されている「STEAM(スティーム)教育」とは、サイエンス(S)、テクノロジー(T)、エンジニアリング(E)、アート(A)、マスマティクス(M)という学問分野を横断し、自分で問いを立てて仲間と解決していくという問題解決型の学びです。
日本の子どもは国際学力テストで高い成績を収めていますが、一方で多くの教科書には答えが用意されており、どこにたどり着くかわからない「探究」を経験する機会は多くありません。自分で問いを立て、答えのない問いに向き合う力や発想力こそが、AIが普及する時代に求められる力です。
創造性の芽を育てる
子どもが思い切り創意工夫できる場をつくることで、創造性は育てられます。ある実験では、植物の種子散布をテーマに、よく飛ぶ種の形を子どもたちに自由に考えてもらい、折り紙とクリップで作ってもらいました。その結果、大人が驚くようなアイデアが次々と生まれました。
この実験に正解はありません。発想が生まれること自体が、創造性の芽になるからです。子どもが「なぜ?」「これを知りたい」と感じる瞬間に心に火をつけ、後は見守ります。教えすぎないことこそが、科学体験の要なのです。
科学体験は振り返りが肝心
教科が理科や社会などに分かれる前の幼児期に、「探究」の方法やものの見方・考え方の基本を身につけることが、その後の学びの土台になります。そして、科学体験を学びとして記憶させるために欠かせないのが「振り返り」です。体験後に子どもが自分の言葉で発見を語る場をつくることで、科学体験は本物の学びとして子どもの内面に落とし込まれます。振り返りでは、挙手制ではなく、ボールを持った子どもが話す「哲学対話方式」にしたところ、それまで発言しなかった子どもが自分の言葉で気づきを語り出し、一人一人の学びが引き出されました。自分で疑問を持ち、考えるという、幼い頃からの経験の積み重ねが、創造性の土台になり、AI時代を生き抜く力になります。
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先生情報 / 大学情報

静岡福祉大学 子ども学部 子ども学科 教授 坂田 尚子 先生
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