ルーツは四大文明? 人類社会になくてはならない「会計学」

紀元前の会計記録は
簿記などの難しいイメージがある会計学ですが、ルーツは紀元前の世界四大文明までさかのぼります。貨幣のなかった当時、人々は日々の取引や物の貸し借りを記録に残しました。エジプト文明ではパピルスという植物から作った紙に、メソポタミア文明では粘土板に、中国文明では亀甲・木簡・竹簡などにそれぞれ記録しました。現代では、取引やお金の動きを電子データに記録しています。メディアや生活がいくら変化しても、人類が存続する限り、会計を記録する行為がなくなることはないでしょう。
欧米と違った日本企業の家計簿
会計には、企業経営の業績を記す「財務会計」という分野があり、企業は財務諸表という「企業の家計簿」を公表します。実はその様式や計算方法が、国によって多少ばらつきがありました。欧米では、主に株主や投資家の目を意識して、企業の現在価値や将来性を伝える家計簿を作る傾向にありました。一方で日本企業は、伝統的に銀行融資の慣習(間接金融)が強く、投資家より銀行・債権者の安全性を重視して家計簿を作っていました。
しかし、その違いが裏目に出たのが1990年代のバブル崩壊です。当時、親会社単独の決算が重視され、グループ全体の計算が甘く、親会社の含み損を子会社に押しつけて儲かったように装う「損失隠し」の事件もありました。こうした反省から、現在は日本も国際基準に合わせた「連結決算」を重視する仕組みに変わっています。
企業の存在価値もPR
グローバル化した今、日本も国際的な水準に合わせた会計基準が広く使われています。現在、日本では資産形成をめざす個人の投資活動も活発化しています。幅広い投資家から出資を呼び込むには、目先の財務数値を伝えるだけでは不十分です。企業理念や社会的責任への取り組みが、将来の持続的成長(価値創造)にどうつなげるかを示す必要があります。財務情報と非財務情報を統合し、企業の長期的な存在価値を伝えるのが「統合報告書」です。 時代とともに、会計の果たす役割と伝えるスタイルは変化し続けています。
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