講義No.16369 経営学・商学

ルーツは四大文明? 人類社会になくてはならない「会計学」

ルーツは四大文明? 人類社会になくてはならない「会計学」

紀元前の会計記録は

簿記などの難しいイメージがある会計学ですが、ルーツは紀元前の世界四大文明までさかのぼります。貨幣のなかった当時、人々は日々の取引や物の貸し借りを記録に残しました。エジプト文明ではパピルスという植物から作った紙に、メソポタミア文明では粘土板に、中国文明では亀甲・木簡・竹簡などにそれぞれ記録しました。現代では、取引やお金の動きを電子データに記録しています。メディアや生活がいくら変化しても、人類が存続する限り、会計を記録する行為がなくなることはないでしょう。

欧米と違った日本企業の家計簿

会計には、企業経営の業績を記す「財務会計」という分野があり、企業は財務諸表という「企業の家計簿」を公表します。実はその様式や計算方法が、国によって多少ばらつきがありました。欧米では、主に株主や投資家の目を意識して、企業の現在価値や将来性を伝える家計簿を作る傾向にありました。一方で日本企業は、伝統的に銀行融資の慣習(間接金融)が強く、投資家より銀行・債権者の安全性を重視して家計簿を作っていました。
しかし、その違いが裏目に出たのが1990年代のバブル崩壊です。当時、親会社単独の決算が重視され、グループ全体の計算が甘く、親会社の含み損を子会社に押しつけて儲かったように装う「損失隠し」の事件もありました。こうした反省から、現在は日本も国際基準に合わせた「連結決算」を重視する仕組みに変わっています。

企業の存在価値もPR

グローバル化した今、日本も国際的な水準に合わせた会計基準が広く使われています。現在、日本では資産形成をめざす個人の投資活動も活発化しています。幅広い投資家から出資を呼び込むには、目先の財務数値を伝えるだけでは不十分です。企業理念や社会的責任への取り組みが、将来の持続的成長(価値創造)にどうつなげるかを示す必要があります。財務情報と非財務情報を統合し、企業の長期的な存在価値を伝えるのが「統合報告書」です。 時代とともに、会計の果たす役割と伝えるスタイルは変化し続けています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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釧路公立大学 経済学部  教授 濱田 弘樹 先生

釧路公立大学 経済学部 教授 濱田 弘樹 先生

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会計学、経営学

メッセージ

激変の時代を迎えて、過去の成功体験はほぼ崩れかけています。これからあなたが人生を構築していくためには、今までの常識やしきたりにとらわれず、しっかりと真実を見極める必要があります。情報を得る際も1つの情報だけでなく、複数の情報源を調べて、どれが適切なのかを自分で判断できるようになりましょう。そんなふうに自分の道を自分で切り開くための武器としてお勧めなのが「会計学」です。数字や企業情報から経済の動き、世の中の流れがわかる会計学はあなたの強い味方になるはずです。

釧路公立大学に関心を持ったあなたは

釧路公立大学は、1988年に釧路地域の自治体が力を合わせて設置した公立大学です。
「地域に結びつき開かれた大学」「国際性を重視する大学」「理論と実践の相まった大学」の3つを建学の理念として地域の人々と共に歩んできました。
全国各地から学生が集い、経済学や経営学を通じて、自分の生まれ育ったマチや地域のために社会課題の解決に挑戦しています。