いけすの中を肉が泳ぐ? テクノロジーで食感をお好みに

自主筋トレする培養肉
食品の「おいしさ」を決めるのは、味や香りだけではありません。かたさや弾力、歯ごたえなどの食感も重要です。食感を思いどおりに変える技術の研究対象の一つが、細胞を育てて作る培養肉です。
培養肉は将来の食料問題への貢献が期待される一方、本物の肉らしい食感の再現が課題です。筋肉は、動かしたり力を受けたりすることで性質が変わります。そこで、培養した筋肉に電気や力による刺激を与え、収縮させながら育てる研究が進められています。
刺激の与え方や組織の構造を工夫することで、やわらかさや歯ごたえの異なる肉を作り分けられるかもしれません。さらに、神経と筋肉のつながりを培養環境で再現できれば、組織が自ら動きながら育つ、新しい培養食品の作り方につながる可能性があります。まだ発展途上ですが、食感から食品を設計する新しい試みです。
食品3Dプリンタで食感を制御
食品3Dプリンタを使うと、人の手では作ることが難しい複雑な形や構造を持つ食品を作ることができます。形や内部構造を変えることで、これまでにない食感を生み出せる可能性もあります。すでに、チョコレートなどを材料とした食品3Dプリンタが実用化されています。一方で、食品は金属やプラスチックとは異なり、やわらかく、形が崩れやすい材料です。そのため、作ることができる形にはまだ制限があります。材料の性質に合わせて造形方法を工夫し、より複雑で多様な食品を作れるようにする研究が進められています。
ようかんも新食感に?
寒天は一度熱湯に溶かしてから冷やし、固めて作られます。このとき急速に冷やすかゆっくり冷やすかで、寒天の構造が変わります。これは寒天と水分の分離の度合いが違うためです。例えば寒天にあずきの粉を混ぜてようかんを作るときに、分離状態の寒天と水の中であずきの粉がどのようにふるまうかはわかっていません。寒天の構造の違いやあずきの分布は食感に現れるので、冷やし方の工夫で好みの食感に合わせた作り分けが可能になるかもしれません。
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