おいしく食べながら、魚アレルギーを治す!

わからないことがまだ多い魚アレルゲン
食物アレルギーの一つに「魚アレルギー」があります。魚アレルギーは、大人になってからアレルギーを発症しやすく、多くの人が抱える疾患です。
魚アレルギーの厄介なところは、あらゆる魚がアレルギーを引き起こすにもかかわらず、原因物質である「アレルゲン」の性質や反応性が魚種によって異なることです。そして今は、魚のアレルゲンの研究はあまり進んでいません。これが解明されれば、魚アレルギーの人も安心して魚料理を楽しむことができるようになるでしょう。
鍵は「加熱」
主なアレルゲンは、パルブアルブミンという魚類に含まれるタンパク質です。この含有量は魚種によって大きな差があります。世界に3万種の魚がおり、日本で流通しているのは200~300種です。日本で食される魚類の含有量が明確になるだけでも、病院の食事指導などで役立ちます。また、アレルゲンは魚によって構造が少し異なり、それがアレルギー反応の強弱に影響します。反応しやすいか否かがわかれば、リスク回避ができます。
検証を重ねた結果、アレルゲンは熱で壊せることがわかりました。ただ、普通の調理では壊せない場合がほとんどです。医師の指導のもと、圧力鍋で正しく加熱すれば、家庭で調理でき、さまざまなメニューにして安全に食べることができるようになります。
食べて治す免疫療法が可能に
さらに、熱でアレルゲンの形を変えることで安全に食べることができるだけでなく、アレルゲンを体内に入れてアレルギー症状を緩和・抑制させていく「免疫療法」に有効であることがわかりました。正しく熱処理された魚類を食べることが、治療につながるのです。
また、加工食品のアレルギー表示も課題の一つです。現在はサケとサバが表示されるだけですが、ほかの魚類に反応する人もいます。誰もが安心して食事できる環境を整えるには、行政や食品メーカーへのアプローチと協力も不可欠です。
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