機械工学×細胞で創る、未来の再生医療と食

再生医療を次のステージへ
iPS細胞の発明により、再生医療は大きく前進しました。そして、iPS細胞や幹細胞を使った組織や臓器の再生では、移植する細胞をばらばらの状態からシート状にすることで、患者の体への定着(生着)率が飛躍的に向上しました。さらに今、細胞シートを積み重ねて血管を張り巡らせた、より厚く生着しやすい三次元的な再生組織の開発が進められています。
よりリアルな組織を作る
臓器の細胞だけを積み重ねて立体的な組織を作ろうとしても、細胞の内部に酸素や栄養が届かず、また細胞の老廃物も除去できません。そこで、細胞シートの間に血管網を作ります。血管を形作る血管内皮細胞は、ただ培養しても血管にはなりませんが、「灌流(かんりゅう)バイオリアクター」という培養液に流れを作る装置を用いたり、培養液に成長因子を加えたりして適切な条件を整えると、自動的に血管網を構築していきます。移植後、再生組織の血管に患者の血液が流れることで、生着率のさらなる向上が期待されます。
こうした培養技術で、実際に心臓や肝臓、皮膚などが作られています。再生医療に使われる皮膚にはすでに多くの製品がありますが、そのほとんどが皮膚の上皮だけです。これに対し、バイオリアクターで培養液を灌流させながら細胞を空気に触れさせる方法を用いることで、毛や汗腺、毛根の幹細胞の再構築に成功しています。
培養液の工夫で培養肉を安価に生産
同様の培養技術を筋肉の元となる筋衛星細胞に応用すれば、培養肉を作ることができます。培養肉の実用化には肉のおいしさや食感の再現だけでなく、低コストで大量生産できることも重要です。培養液には牛の胎児から取った血清の添加が必要ですが、非常に高価であるため、藻類や廃棄食品から代替品を作る研究も進められています。特に藻類は、培養細胞が出すアンモニアや乳酸などの老廃物をえさとして増えるので、物質を無駄なく循環できる点でも期待されています。
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