秋田美人を科学する
秋田県の女性は肌がきれいって本当?
「秋田美人」という言葉があります。これは秋田県出身の女性には、色白でキメの細かい美しい肌の持ち主が多いことから生まれた言葉でしょう。では、本当に秋田県には肌の美しい人が多いのでしょうか。科学的な視点で調査が行われました。関西と秋田県で、同じ年代の女性を対象にして、比較研究をしました。セロテープのような特殊なテープで肌表面の角質層を採取し、それに含まれる酵素やたんぱく質など、肌状態の指標となるバイオマーカーを分析することで、簡単・安全に、光によるダメージの大きさを比較したのです。その結果、日射量が多い関西の女性に比べて、秋田県の女性の肌では、特定の皮膚酵素の濃度が低く抑えられているものや、逆に濃度が高まっているものがあることがわかったのです。これらは、「光老化」の度合いを表す尺度と考えられます。
肌表面のバイオマーカーで光ダメージを簡単測定
肌に最もダメージを与えるのは、太陽光に含まれる紫外線であることは、よく知られています。紫外線を長年浴び続けると、シミ、シワなどの変化として現れ、場合によってはがんの原因になることもあります。皮膚は、さまざまな酵素によってこの光ストレスに対処していますが、肌表面の酵素やたんぱく質の量で、どれだけ光によるダメージを受けているのかがわかるのです。秋田県と関西を比べると、年間を通して紫外線の量に大きな違いがありますし、日本海側に位置する秋田県は冬場の乾燥が少ないことも、肌の保湿を高める大きな要因になっているでしょう。
早期診断に有効な皮膚サンプリング
肌の表面には、バイオマーカーが何十種類もあり、光ダメージが大きい人、アトピー体質の人など、それぞれに特有の数値が表れます。海外に比べると、日本では病院で皮膚のサンプリングをして病気や皮膚状態を診断することはあまり行われていないのですが、今後は次第に普及し、早期診断や対処に活用されるようになっていくでしょう。
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