白く健康な歯を守る! 患者にやさしい歯科治療最前線

歯の白さはオンリーワンの色
歯は、外側が半透明のエナメル質、その下に黄色っぽい象牙質(ぞうげしつ)があり、象牙質の中に神経があります。歯が黄みがかった白色なのは、エナメル質の下の象牙質が透けて見えているからです。人によってエナメル質、象牙質の厚さや色みが違うため、歯の色は一人一人違います。また、歯の色は、加齢変化や食べものなど、さまざまな影響を受けて変色します。避けられない要素もありますが、毎日の歯みがきと定期的な歯科健診によって、オンリーワンの健康的な白さをより長く保つことができます。
見た目もきれいに虫歯を治す
歯学では、虫歯を見た目もきれいに治すため、つめもの・かぶせものの材料の研究が行われています。よく使われるプラスチック製の「コンポジットレジン」は金属と違い、自然な白さが特徴です。改良型のコンポジットレジンも開発されて、一人一人の歯の色に合わせて色を選び、治すことも可能になっています。
課題の一つには変色があります。コンポジットレジンは時がたつにつれて、歯とのつなぎ目の部分がやや黄ばんでしまうため、変色しにくい・変色しないコンポジットレジンの開発は歯科研究のテーマの一つです。
デジタル技術で、より快適な治療をめざす
患者の負担を減らすことも歯科研究の大きな目標です。小さな虫歯は、接着材でレジンをくっつける1回の治療で治せますが、大きな虫歯はしっかりと削り、型をとって、歯科技工士がその型にあわせてつめものを作らなくてはなりません。
型取りの不快感や通院の回数を減らすため、DXを活用する治療法が進んでいます。3Dスキャナーで患者の口の中を撮影し、そのデータをもとに歯科用のCAD/CAM(コンピュータによる設計・製造支援システム)でつめものやかぶせものをデザインして、専用のマシンで作ります。この技術が完成すれば、大きな虫歯も1日の治療で治るようになるかもしれません。このほかにもAI診断、3Dプリンタによるつめものの作製など、歯科でのDX活用研究が広がっています。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
