プロカウンセラーによる的確なアドバイスは、「性格」を手がかりに

愛されたい人の特徴は?
皆、「誰かに愛されたい」と考えるでしょうが、中にはその想いが強く、他者に尽くし過ぎてしまい、人間関係のバランスを崩してしまう人もいます。こうした人々に寄り添い、手助けをするのがプロの心理カウンセラーです。カウンセラーは臨床心理学のさまざまな理論を使い、相談者の性格を分析した上で対応します。例えば「愛されたい」と想い過ぎる人には、精神分析家カレン・ホーナイが説いた理論をもとにした対応が可能です。
ホーナイの性格分析
ホーナイは、人々は不安の多い社会で日々心を変化させながら生きていると考えました。その上で性格をいくつかのパターンに分類しています。「愛されたい」と思う人は、「人に向かう・近づく」という性格に当てはまります。この性格の持ち主は、人に認めてもらいたい、愛されたいという承認欲求が強く、人に尽くすほどに自分も愛されると考えて、他者に優しくしようとする傾向が強く出るのです。しかし、行動が過度になることもあり、その結果、誰かへの依存に発展し、生きづらさを感じるようになるのです。このように性格の特徴と、生きづらさの原因がわかれば、「尽くすのはほどほどにして自分を大切にしよう」など、推奨する行動や思考が導き出せます。
神経発達症(発達障害)のカウンセリング
ときには性格に加えて、相談者の脳の働きを踏まえたアドバイスをすることもあります。例えば神経発達症(発達障害)の子どもやその保護者へのカウンセリングです。神経発達症(発達障害)の人は、広い視点で物事を見ることが苦手なため、人間関係を構築しにくいケースが多いです。その原因は、外から刺激を受け取る力が非常に過敏だとわかりました。情報を過敏に受け取ると脳が処理オーバーになってしまうため、脳に入る情報をあえて制限し、自身を守っていたのです。こうした背景を本人や保護者に伝えて向き合い方を教えると、気持ちが楽になる傾向が見られます。
一人でも多くの相談者の不安を和らげようと、臨床心理学の研究や知識の普及が試みられています。
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健康科学大学健康科学部 人間コミュニケーション学科 教授鈴木 真吾 先生
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