「自分で変わる力」を信じて、心の土壌を耕すカウンセリング

「困る」と「悩む」の違いって何だろう?
「困る」と「悩む」は違います。何が違うのでしょうか。目の前の不都合への対応がわからず、ただ戸惑っているだけなのが「困る」で、自己の言動を振り返ったり、葛藤しているのが「悩む」です。「困る」は途方に暮れて「心を使えていない」状態で、「悩む」は現状をどうしようか「心を使っている」状態とも言えます。悩むことは自分を成長させる機会になります。また「なぜ勉強するんだろう」と悩んだりする中で、勉強の意味を見い出すなど、行動の意味を見出せたりします。
ただ、悩みすぎはよくありません。カウンセリングでは、悩みを大切にし、共に悩みを抱えるように語りを聴いていくのです。
主体性を育むためには?
カウンセラーは、何か役に立つ助言をしたり、指導をしたりはしません。また叱ることもほめることもしません。外から何かをするのではなく、ひたすら話を聴き、内から変わっていくよう、心をこめて見守っていきます。
そうした姿勢は、植物を育てる時にも似ています。植物は無理に引っ張ったり、突っついたりして大きくはなるでしょうか? なりませんよね。そうではなく、適切な環境(豊かな土壌や水や日光)を整え、見守っていれば自ら伸びる力が発揮されていきます。カウンセリングでも同じです。しっかり話を聴き、相手が自ら考え、行動する動きや力を徹底的に尊重していくのです。
「怒り」ってダメなこと?
「怒りは良くないこと」って思いませんか? でもカウンセリングでは、怒りは変化の原動力(エネルギー)になるとポジティブにも捉えています。また怒りをしっかりと受け止めてもらう体験により、「本当に受け入れてもらった」という思いが得られ、他者を受け入れられるようにもなります。
確かに、怒りで人間関係を損なうなどネガティブな面もありますが、カウンセリングでしっかり受けとめてもらえることで、創造的な働きをするとも考えられます。
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